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理由で解く 柔道整復師

QJ26A076 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問76
問題
グリコーゲン合成を促進させるのはどれか。
選択肢
1 インスリン
2 グルカゴン
3 アドレナリン
4 成長ホルモン
解答
正解1(インスリン)
解説

グリコーゲンの合成を促すのはインスリンである。血糖が上がったときに分泌され、余ったグルコースを肝と筋にグリコーゲンとして蓄えさせる。

インスリンは膵ランゲルハンス島のB(β)細胞から分泌される唯一の血糖降下ホルモンで、食後に血糖が上がると分泌が増える。標的細胞では、骨格筋・脂肪組織のGLUT4を細胞膜へ移動させてグルコースの取り込みを増やし、肝ではグルコキナーゼを活性化してグルコースを取り込みやすくする。そのうえでグリコーゲン合成酵素を活性化し、逆にグリコーゲンを分解するホスホリラーゼを抑えるため、貯蔵の方向へはっきり傾く。さらに脂肪合成と蛋白質合成も促進し、全体として「同化(ためこむ)」を担うホルモンである。反対に血糖を上げるホルモンはグルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモン、甲状腺ホルモンと複数ある。ただし上げ方は一様ではなく、グルカゴンとアドレナリンは肝グリコーゲンを分解して血糖を上げるのに対し、コルチゾール(糖質コルチコイド)は蛋白異化とともに糖新生を高めて血糖を上げ、つくられたグルコースを肝グリコーゲンとして蓄えさせるため肝グリコーゲンはむしろ増加する点が異なる。血糖を下げる手段が一つしかないという非対称さが、糖尿病という病態が生じやすい理由でもある。

✓ 1. 正しい
インスリン
膵B(β)細胞から分泌され、グリコーゲン合成酵素を活性化しホスホリラーゼを抑制することで肝・筋のグリコーゲン合成を促す。糖の取り込みも同時に増やす。
✗ 2. 誤り
グルカゴン
膵A(α)細胞から分泌され、インスリンと逆に肝グリコーゲンの分解と糖新生を促して血糖を上げる。合成ではなく分解の側である。
✗ 3. 誤り
アドレナリン
副腎髄質から分泌され、肝と骨格筋のグリコーゲン分解を促進して血糖を上げる。緊急時にすぐ使えるエネルギーを供給する働きで、貯蔵とは逆方向である。
✗ 4. 誤り
成長ホルモン
下垂体前葉から分泌され、抗インスリン作用によって血糖を上げ、脂肪分解を促す。IGF-Iを介した成長促進が主な作用で、グリコーゲン合成を促すホルモンではない。
ポイント
  • この設問の選択肢のなかでグリコーゲン合成を促すのはインスリンだけ。血糖を下げる唯一のホルモンでもある。
  • インスリンの作用は同化:糖の取り込み↑、グリコーゲン合成↑・分解↓、脂肪合成↑、蛋白質合成↑。
  • 血糖を上げるホルモンは複数(グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモン、甲状腺ホルモン)。ただし機序は同じではなく、グルカゴン・アドレナリンはグリコーゲンを分解、コルチゾールは糖新生を促進して肝グリコーゲンはむしろ増加させる。
  • 「肝グリコーゲンを増加させるホルモンはどれか」と問われたら、インスリンのほかにコルチゾールも該当しうる。血糖を上げる=グリコーゲン分解、と機械的に結びつけないこと。
  • インスリンは膵B(β)細胞、グルカゴンは膵A(α)細胞から分泌される。産生部位もセットで覚える。骨格筋のグリコーゲンは筋自身が使い、血糖の維持に直接使えるのは肝グリコーゲンである。
比較表
ホルモン産生部位血糖グリコーゲン
インスリン膵B(β)細胞下げる合成を促進(肝グリコーゲンは増加)
グルカゴン膵A(α)細胞上げる分解を促進(肝グリコーゲンは減少)
アドレナリン副腎髄質上げる分解を促進(肝・筋のグリコーゲンは減少)
成長ホルモン下垂体前葉上げる合成は促さない
コルチゾール(参考)副腎皮質上げる糖新生を促進(肝グリコーゲンは増加)
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