学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §8 尿の生成と排泄 / QJ26A073

理由で解く 柔道整復師

QJ26A073 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問73
問題
正常な尿にほとんど含まれないのはどれか。
選択肢
1 尿素
2 尿酸
3 グルコース
4 クレアチニン
解答
正解3(グルコース)
解説

正常な尿にほとんど含まれないのはグルコースである。糸球体で濾過されたグルコースは近位尿細管でほぼ全量が再吸収されるため、尿には出てこない。

腎臓では、糸球体で血漿成分が濾過され(原尿は1日約150L)、そのうち体に必要なものは尿細管で再吸収される。グルコースは近位尿細管のナトリウム-グルコース共輸送体(SGLT2、SGLT1)によって能動的に回収され、通常は100%近くが体内に戻される。ただし輸送体の数には限りがあるため再吸収量には上限(腎輸送最大、TmG)があり、血糖がおよそ160〜180mg/dLを超える(腎閾値)と回収しきれず尿糖が現れる。一方、尿素・尿酸・クレアチニンはいずれも代謝の最終産物で、体外に捨てることが目的だから正常尿に含まれているのが当たり前である。とくにクレアチニンは糸球体で濾過されたあとほとんど再吸収も分泌もされないため、糸球体濾過量(GFR)の指標として使われる。「再吸収されるもの=尿に出ない」「老廃物=尿に出る」という軸で整理すると迷わない。

✗ 1. 正常な尿に含まれる(答えではない)
尿素
蛋白質・アミノ酸の分解で生じたアンモニアを、肝臓が尿素回路で無害な尿素に変えたもの。尿中の窒素排泄の大部分を占める主要な溶質で、含まれているのが正常である。
✗ 2. 正常な尿に含まれる(答えではない)
尿酸
核酸に含まれるプリン体の最終代謝産物で、腎から排泄される。排泄が滞って血中に増えた状態が高尿酸血症であり、痛風の背景となる。
✓ 3. 正常な尿にはほとんど含まれない(これが答え)
グルコース
近位尿細管のSGLTによりほぼ全量が再吸収されるため、正常では尿中にほとんど出ない。血糖が腎閾値(約160〜180mg/dL)を超えると尿糖として現れる。
✗ 4. 正常な尿に含まれる(答えではない)
クレアチニン
骨格筋のクレアチンリン酸に由来する老廃物で、ほぼ一定量が排泄される。濾過後にほとんど再吸収されないため、クレアチニンクリアランスがGFRの指標として用いられる。
ポイント
  • 正常尿にほとんど出ないのはグルコースと蛋白質。
  • ただし理由は異なる。グルコースは糸球体で濾過されたあと近位尿細管でほぼ全量が再吸収されるため、蛋白質は糸球体の濾過障壁(サイズ障壁・荷電障壁)でそもそもほとんど濾過されないため(わずかに漏れた分は近位尿細管で再吸収される)。
  • 尿素・尿酸・クレアチニンは代謝の最終産物(老廃物)で、排泄されるのが正常。
  • グルコースの再吸収には上限(TmG)があり、腎閾値(血糖約160〜180mg/dL)を超えると尿糖が出る。蛋白尿はネフローゼ症候群や糸球体腎炎など濾過障壁が破綻したときに出る。
  • クレアチニンは濾過後ほとんど再吸収・分泌されないためGFRの指標になる。覚え方は「体に要るもの=尿に出さない/要らないもの=そのまま捨てる」。
比較表
物質由来尿細管での扱い正常尿中
尿素蛋白質代謝(肝の尿素回路)一部再吸収されるが大半は排泄含まれる(主要溶質)
尿酸プリン体の最終代謝産物再吸収と分泌の両方を受ける含まれる
クレアチニン筋のクレアチンリン酸ほとんど再吸収・分泌されない含まれる(GFRの指標)
グルコース血糖近位尿細管でほぼ全量を再吸収ほとんど含まれない
蛋白質(参考)血漿蛋白糸球体でほとんど濾過されず、漏れた分も再吸収ほとんど含まれない
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