学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §4 呼吸 / QJ26A066

理由で解く 柔道整復師

QJ26A066 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問66
問題
酸素分圧が最も高いのはどれか。
選択肢
1 吸気
2 呼気
3 肺胞気
4 動脈血
解答
正解1(吸気)
解説

酸素分圧が最も高いのは吸気(大気)である。酸素は分圧の高いほうから低いほうへ拡散していくので、吸気→肺胞気→動脈血→組織と、通り道の順に下がっていく。

大気の酸素濃度は約21%なので、1気圧(760mmHg)では酸素分圧は約160mmHgになる。吸い込まれた空気は気道で体温まで温められ水蒸気で飽和されるため、水蒸気分圧47mmHgを差し引いて肺胞に届くころには約150mmHg相当になる。肺胞では酸素が絶えず血液へ移り、代わりに二酸化炭素が出てくるので肺胞気の酸素分圧は約100mmHgまで下がる。動脈血は肺胞気とほぼ平衡になるが、気管支静脈血などの生理的シャントが少し混ざるため肺胞気よりわずかに低い約95〜100mmHgである。一方、呼気は肺胞気に加えて、ガス交換に関与していない解剖学的死腔(気道)に残っていた吸気がそのまま混ざって出てくるため、肺胞気より高く約120mmHg程度になる。したがって順位は吸気>呼気>肺胞気≧動脈血となり、最も高いのは吸気である。

✓ 1. 正しい
吸気
大気そのものなので酸素分圧は約160mmHg(加湿後で約150mmHg相当)と、選択肢のなかで最も高い。ここを出発点として、体内に入るほど下がっていく。
✗ 2. 誤り
呼気
約120mmHg程度。肺胞気に解剖学的死腔の未交換の空気が混ざるため肺胞気より高くなるが、吸気より高くなることはない。
✗ 3. 誤り
肺胞気
約100mmHg。酸素が血液へ移り二酸化炭素が加わるため吸気より低い。逆に二酸化炭素分圧は約40mmHgと吸気より高くなる。
✗ 4. 誤り
動脈血
約95〜100mmHg。肺胞気とほぼ平衡に達するが、生理的シャントの分だけわずかに低い。この差を肺胞気-動脈血酸素分圧較差(A-aDO₂)という。
ポイント
  • 酸素分圧の順は 吸気(約160)>呼気(約120)>肺胞気(約100)≧動脈血(約95〜100)>静脈血(約40)mmHg。
  • ガスは分圧の高いほうから低いほうへ拡散する。だから体内に入るほど酸素分圧は下がる。
  • 呼気が肺胞気より高いのは、解剖学的死腔に残った吸気(ガス交換していない空気)が混ざるため。
  • 二酸化炭素分圧は逆の並びで、肺胞気・動脈血が約40mmHg、静脈血が約46mmHg、吸気はほぼ0。
  • 肺胞気と動脈血のわずかな差はA-aDO₂と呼ばれ、生理的シャントによるもの。
比較表
部位酸素分圧(mmHg)二酸化炭素分圧(mmHg)理由
吸気(大気)約160(加湿後約150)ほぼ0大気の酸素濃度約21%
呼気約120約28〜32肺胞気+死腔の未交換気の混合
肺胞気約100約40酸素が血液へ移り二酸化炭素が加わる
動脈血約95〜100約40肺胞気とほぼ平衡(生理的シャントの分だけ低い)
静脈血約40約46組織で酸素を渡し二酸化炭素を受け取る
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。