学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §4 呼吸 / QJ26A067

理由で解く 柔道整復師

QJ26A067 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問67
問題
ヘーリングーブロイエル反射の受容器はどれか。
選択肢
1 頸動脈洞圧受容器
2 酸素受容器
3 肺伸展受容器
4 二酸化炭素受容器
解答
正解3(肺伸展受容器)
解説

ヘーリング-ブロイエル反射(肺伸展反射)の受容器は、気管支の平滑筋層にある肺伸展受容器である。肺がふくらみすぎないよう、吸気を止めて呼気に切り替える安全装置として働く。

吸気が進んで肺が伸展されると、気管・気管支の平滑筋内にある遅順応性の伸展受容器が興奮する。その情報は迷走神経の求心性線維を通って延髄の呼吸中枢に届き、吸気ニューロンの活動を抑えて呼気へ切り替える。これが吸息抑制反射(肺膨張反射)で、過度な吸気による肺の損傷を防いでいる。逆に肺が縮むと吸息が促される反応(呼息抑制反射、肺虚脱反射)もあり、両者を合わせてヘーリング-ブロイエル反射と呼ぶ。ヒトの成人では安静呼吸のときにはあまり働かず、1回換気量が大きくなったとき(およそ800mL以上)や新生児で顕著になる。呼吸調節にはこのような機械的(神経性)調節のほかに、二酸化炭素・pHや酸素分圧を感知する化学的調節があり、両者を区別して整理しておくと選択肢に惑わされにくい。

✗ 1. 誤り
頸動脈洞圧受容器
動脈壁の伸展から血圧を感知する受容器で、舌咽神経を介して延髄の循環中枢に情報を送る圧受容器反射の入口である。呼吸ではなく血圧の調節を担う。
✗ 2. 誤り
酸素受容器
頸動脈体・大動脈体にある末梢化学受容器のことで、動脈血酸素分圧の低下を感知して換気を増やす。化学的調節であり、肺の膨張を感知する反射とは経路が別である。
✓ 3. 正しい
肺伸展受容器
気管支平滑筋層にあり、肺の伸展を感知して迷走神経経由で延髄へ伝え、吸気を止めて呼気に転じさせる。ヘーリング-ブロイエル反射の受容器である。
✗ 4. 誤り
二酸化炭素受容器
延髄腹側の中枢化学受容器が二酸化炭素分圧の上昇(髄液のH⁺増加)を感知して換気を強く促す。これも化学的調節で、平常時の呼吸を最も強く左右する要因だが、肺伸展反射とは別である。
ポイント
  • ヘーリング-ブロイエル反射=肺伸展反射。受容器は気管支平滑筋内の肺伸展受容器、求心路は迷走神経、中枢は延髄。
  • 2つの成分がある。肺がふくらむと吸息が止まる吸息抑制反射(肺膨張反射)と、肺が縮むと吸息が促される呼息抑制反射(肺虚脱反射)。
  • 働きの中心は「肺がふくらむ→吸気を止めて呼気へ」。肺の過膨張を防ぐ安全装置。
  • 成人の安静呼吸では目立たず、1回換気量が大きいときや新生児で明瞭になる。
  • 呼吸の調節は、機械的(神経性)調節=肺伸展反射と、化学的調節=中枢/末梢化学受容器の2本立て。平常時の換気を最も強く決めるのは動脈血二酸化炭素分圧(中枢化学受容器)。
比較表
反射・調節受容器場所求心路おもな効果
ヘーリング-ブロイエル反射(吸息抑制反射=肺膨張反射)肺伸展受容器気管・気管支の平滑筋層迷走神経肺膨張で吸気を止めて呼気へ(過膨張の防止)
ヘーリング-ブロイエル反射(呼息抑制反射=肺虚脱反射)肺伸展受容器気管・気管支の平滑筋層迷走神経肺虚脱で吸息を促す
末梢化学受容器反射酸素受容器(化学受容器)頸動脈体・大動脈体舌咽神経・迷走神経低酸素で換気増加
中枢化学受容器H⁺/二酸化炭素受容器延髄腹側—(中枢内)二酸化炭素上昇で換気増加
圧受容器反射頸動脈洞圧受容器頸動脈洞・大動脈弓舌咽神経・迷走神経血圧の調節(呼吸ではない)
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