学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 生理学 ▸ §6 栄養と代謝 / QJ26A068
理由で解く 柔道整復師
インスリンがあってもなくても常にグルコースを取り込むのは脳である。血液脳関門と神経細胞にはインスリン非依存性の糖輸送体GLUT1・GLUT3が備わっている。
細胞へのグルコースの取り込みは糖輸送体(GLUT)が担い、その種類によってインスリンへの反応性が異なる。骨格筋と脂肪組織がもつGLUT4は、ふだんは細胞内の小胞に格納されており、インスリンが受容体に結合して初めて細胞膜へ移動(トランスロケーション)して糖を取り込む=インスリン依存性である。これに対しGLUT1やGLUT3はもともと細胞膜に配置され、グルコースへの親和性が高いため、血糖が低めでも一方向に取り込みを続けられる。脳はエネルギー源をほぼグルコースに依存し、貯蔵もほとんどできないため、供給がホルモンの都合で途切れない仕組みになっている。それでも血糖が下がり続ければ脳への供給は不足し、意識障害やけいれんといった中枢神経症状(神経低糖症状)が現れる。ただし症状の出現には順序があり、まず血糖およそ70mg/dL前後で発汗・動悸・振戦・不安・顔面蒼白といった交感神経刺激症状(警告症状)が先行し、さらに約50mg/dL以下へ低下して初めて頭痛・傾眠・異常行動・けいれん・昏睡といった中枢神経症状に至る。警告症状の段階で糖分を摂ることが低血糖の初期対応の要点である。逆に高血糖が続くと、脳・赤血球・水晶体・腎尿細管などには糖が入り続けることになる。
| 臓器・組織 | おもな糖輸送体 | インスリン依存性 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 脳・神経 | GLUT1(血液脳関門)/GLUT3(神経細胞) | 非依存 | 高親和性・一方向で常時取り込み。低血糖が進むと中枢神経症状が出現(交感神経性の警告症状が先行する) |
| 赤血球 | GLUT1 | 非依存 | ミトコンドリアがなく解糖系のみでATPを得る |
| 肝臓 | GLUT2 | 輸送体自体は非依存だが代謝はインスリンで制御 | 低親和性・両方向性。血糖が低いときは糖新生・グリコーゲン分解でグルコースを放出する側に働く(合成・糖新生抑制はインスリン作用) |
| 骨格筋 | GLUT4 | 依存 | 運動(筋収縮)でも膜へ移動する |
| 脂肪組織 | GLUT4 | 依存 | 脂肪合成促進・脂肪分解抑制も受ける |
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