学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §6 栄養と代謝 / QJ25A076

理由で解く 柔道整復師

QJ25A076 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問76
問題
飢餓時に起きるのはどれか。
選択肢
1 インスリン分泌増加
2 グルカゴン分泌増加
3 グリコーゲン生成促進
4 蛋白質合成促進
解答
正解2(グルカゴン分泌増加)
解説

飢餓は血糖が下がる状況です。膵島A(α)細胞からグルカゴンが分泌され、肝グリコーゲンの分解と糖新生で血糖を支えます。答えは2です。

血糖が下がるとインスリンの分泌は減り、代わりにグルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモンといった血糖を上げる側のホルモンが働きます。肝臓ではグリコーゲンが分解されてグルコースが放出されますが、肝の貯蔵はおよそ半日で底をつくため、その後は乳酸・アミノ酸・グリセロールから作り直す糖新生が主役になります。同時に脂肪組織では中性脂肪が分解されて遊離脂肪酸が動員され、肝でケトン体が作られて脳の代替燃料になります。筋では蛋白質が分解され、アラニンなどのアミノ酸が糖新生の材料として肝へ送られます。つまり飢餓時は体全体が「同化(貯め込む)」から「異化(動員する)」へ切り替わるので、選択肢を仕分けるときは「貯める話か、出す話か」で見ると迷いません。

✓ 2. 正しい
グルカゴン分泌増加
低血糖を感知した膵島A(α)細胞から分泌が増えます。主な標的は肝臓で、グリコーゲン分解と糖新生を進めて血糖を上げ、脂肪分解も促します。飢餓時の代謝の司令塔にあたるホルモンです。
✗ 1. 誤り
インスリン分泌増加
インスリンは血糖が上がったとき、つまり食後に膵島B(β)細胞から分泌されます。飢餓では分泌が減ります。血糖を下げるホルモンはインスリンだけであり、低血糖の場面で増えては困る、と考えれば判断できます。
✗ 3. 誤り
グリコーゲン生成促進
グリコーゲンの合成はインスリンが優位な食後に進みます。飢餓では逆にグリコーゲン分解が起こり、蓄えを使い切ったあとは糖新生に引き継がれます。「生成」と「分解」で方向が正反対である点に注意しましょう。
✗ 4. 誤り
蛋白質合成促進
蛋白質の同化はインスリンや成長ホルモンが十分に働くときに進みます。飢餓では筋の蛋白質が分解され、放出されたアミノ酸が糖新生に回るため、体蛋白は正味で減っていきます。長期の飢餓で筋肉が痩せるのはこのためです。
ポイント
  • 低血糖ではグルカゴンが増え、インスリンは減る。グルカゴンは膵島A(α)細胞、インスリンはB(β)細胞から。
  • グルカゴンの主な作用は、肝グリコーゲン分解・糖新生・脂肪分解。標的は主に肝臓。
  • 血糖を上げるホルモンは複数(グルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモン)あるが、下げるのはインスリンだけ。
  • 飢餓が続くと脂肪分解が進み、肝で作られたケトン体が脳の代替燃料になる。
  • 「食後=同化(貯める)」「飢餓=異化(動員する)」の枠で選択肢を仕分けると速い。
比較表
項目食後(吸収期)飢餓(空腹期)
優位なホルモンインスリングルカゴン、アドレナリン、コルチゾール、成長ホルモン
グリコーゲン合成(肝・筋に貯蔵)分解(肝から血中へグルコース放出)
糖新生抑制される促進される(乳酸・アミノ酸・グリセロールから)
脂質中性脂肪として貯蔵分解して遊離脂肪酸を動員、ケトン体産生
蛋白質合成が進む(同化)分解が進み糖新生の材料になる(異化)
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