学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §11 骨の生理 / QJ25A077

理由で解く 柔道整復師

QJ25A077 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問77
問題
副甲状腺ホルモン(上皮小体ホルモン)で正しいのはどれか。
選択肢
1 骨の吸収を抑制する。
2 腸管からのカルシウム吸収を抑制する。
3 ビタミンDを活性型に変換する。
4 腎臓のリン酸の再吸収を亢進させる。
解答
正解3(ビタミンDを活性型に変換する。)
解説

副甲状腺ホルモン(PTH)は血中カルシウムを上げるホルモンである。腎でビタミンDを活性型に変換させ、腸管からのカルシウム吸収を高めるのがその作用の一つである。

副甲状腺の主細胞はカルシウム感知受容体で血中Ca²⁺の低下を感知し、PTHを分泌する。PTHの作用は3方向にまとめられる。骨では(骨芽細胞を介して)破骨細胞を活性化し、骨からカルシウムを溶かし出す。腎では遠位尿細管でのカルシウム再吸収を高める一方、近位尿細管でのリン酸再吸収は抑えて尿へ捨てる(リン利尿)。さらに腎近位尿細管の1α-水酸化酵素を活性化して25-ヒドロキシビタミンDを活性型の1,25-ジヒドロキシビタミンD(カルシトリオール)へ変え、これが腸管でのカルシウム吸収を高める。結果として血清カルシウムは上がり、血清リンは下がる。反対に血中カルシウムを下げるのは甲状腺傍濾胞細胞(C細胞)が出すカルシトニンである。

✓ 3. 正しい
ビタミンDを活性型に変換する。
腎近位尿細管の1α-水酸化酵素を活性化し、25-ヒドロキシビタミンDを活性型の1,25-ジヒドロキシビタミンDに変える。これを介して腸管からのカルシウム吸収が高まる。
✗ 1. 誤り
骨の吸収を抑制する。
逆である。PTHは破骨細胞の働きを高めて骨吸収を促進し、骨からカルシウムを血中へ動員する。骨吸収を抑えるのはカルシトニンやエストロゲンである。
✗ 2. 誤り
腸管からのカルシウム吸収を抑制する。
逆である。活性型ビタミンDを介して腸管からのカルシウム吸収を促進する。血中カルシウムを上げるホルモンであることから方向は判断できる。
✗ 4. 誤り
腎臓のリン酸の再吸収を亢進させる。
逆である。近位尿細管でのリン酸再吸収を抑制して尿中排泄を増やすため、血清リンは低下する。カルシウムは上げ、リンは下げるのがPTHの特徴。
ポイント
  • PTHは血中カルシウムを上げるホルモン。骨・腎・腸(活性型ビタミンD経由)の3方向で働く。
  • 骨吸収を促進、腎でのカルシウム再吸収を促進、リン酸再吸収は抑制。
  • 結果は血清カルシウム↑・血清リン↓。この組合せがPTHの目印。
  • 腸管でのカルシウム吸収はPTHが直接行うのではなく、活性型ビタミンDを介する間接作用。
  • 血中カルシウムを下げるのはカルシトニン(甲状腺傍濾胞細胞)。PTHと対で覚える。
比較表
PTHカルシトニン活性型ビタミンD
出るところ副甲状腺(主細胞)甲状腺傍濾胞細胞腎で活性化される
吸収を促進吸収を抑制吸収を促進
腸管でのCa吸収間接的に促進影響は小さい促進
腎でのリン酸再吸収抑制抑制促進
血清カルシウム上げる下げる上げる
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