学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §12 神経 / QJ25A078

理由で解く 柔道整復師

QJ25A078 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問78
問題
非興奮時の神経細胞膜で透過性が最も高いのはどれか。
選択肢
1 ナトリウムイオン
2 カリウムイオン
3 カルシウムイオン
4 水素イオン
解答
正解2(カリウムイオン)
解説

静止(非興奮)時の神経細胞膜で最も透過性が高いのはカリウムイオンである。静止膜電位がおよそマイナス70〜90mVになるのは、K⁺リークチャネルが開いていることによる。

Na⁺-K⁺ポンプがATPを使ってNa⁺を3個外へ、K⁺を2個内へ運ぶため、細胞内はK⁺が高く(約150mM)、細胞外はNa⁺が高い(約145mM)という濃度勾配ができる。静止時に開いているのは主にK⁺リークチャネルなので、K⁺が濃度勾配に従って外へ出ようとし、内側に陰イオンが残って細胞内が負に帯電する。こうしてできる静止膜電位はK⁺の平衡電位に近い値になる。閾値まで脱分極すると電位依存性Na⁺チャネルが一斉に開き、Na⁺透過性が数百倍にはね上がって活動電位の急峻な立ち上がりが生じる。高カリウム血症で細胞外K⁺が上がると静止膜電位が浅くなり、不整脈が起こりやすくなるのもこの原理で説明できる。

✓ 2. 正しい
カリウムイオン
静止時にはK⁺リークチャネルが開いており、膜はK⁺を最もよく通す。そのため静止膜電位はK⁺の平衡電位に近い値をとる。
✗ 1. 誤り
ナトリウムイオン
静止時の透過性はK⁺よりはるかに低い。電位依存性Na⁺チャネルは閉じており、脱分極が閾値に達して初めて開き、活動電位の立ち上がりを作る。
✗ 3. 誤り
カルシウムイオン
静止時の膜透過性はきわめて低く、細胞内濃度は細胞外の1万分の1程度に厳しく保たれている。だからこそ流入がシグナルとして働ける。
✗ 4. 誤り
水素イオン
脂質二重膜をそのままでは通りにくく、輸送体やポンプによって運ばれる。静止膜電位を決める主役ではない。
ポイント
  • 静止膜電位(約マイナス70〜90mV)はK⁺の平衡電位でほぼ決まる。
  • 静止時に開いているのは主にK⁺リークチャネル。Na⁺チャネルは閉じている。
  • Na⁺-K⁺ポンプ(3Na⁺出・2K⁺入)が濃度勾配を維持し、ATPを消費する。
  • 活動電位の立ち上がりはNa⁺流入、再分極はK⁺流出による。
  • 高カリウム血症では静止膜電位が浅くなり、興奮性の異常(不整脈)を招く。
比較表
静止時脱分極(立ち上がり)再分極
透過性が高いイオンK⁺Na⁺K⁺
開いているチャネルK⁺リークチャネル電位依存性Na⁺チャネル電位依存性K⁺チャネル
イオンの動きK⁺がゆっくり流出Na⁺が流入K⁺が流出
膜電位約マイナス70〜90mVプラス側へ振れるマイナス側へ戻る
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