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理由で解く 柔道整復師

QJ25A079 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問79
問題
大脳皮質運動野で正しいのはどれか。
選択肢
1 中心前回に存在する。
2 下肢の支配領域が外側に存在する。
3 組織学的には4層が発達している。
4 障害により同側の運動麻痺が生じる。
解答
正解1(中心前回に存在する。)
解説

一次運動野は中心溝のすぐ前、前頭葉の中心前回にあります(Brodmannの4野)。答えは1です。

中心前回には体部位再現(運動のホムンクルス)があり、大脳縦裂に近い内側から順に下肢・体幹、そして外側溝に向かって上肢・手・顔・舌が並びます。手指や口唇のように細やかな運動を必要とする部位ほど広い皮質面積を占めます。皮質の層構造では、出力を担う第Ⅴ層(内錐体細胞層)に大型のBetz細胞があり、ここから始まる皮質脊髄路(錐体路)の大部分が延髄下端の錐体交叉で反対側へ渡ります。そのため一次運動野が障害されると、反対側に痙性麻痺が現れます。中心溝を挟んで後ろの中心後回は一次体性感覚野で、前が運動・後ろが感覚という位置関係も一緒に押さえておくと問題を素早く整理できます。

✓ 1. 正しい
中心前回に存在する。
一次運動野は前頭葉後端の中心前回にあり、Brodmannの4野に相当します。その前方に運動前野・補足運動野(6野)が続き、運動の計画や準備を担います。
✗ 2. 誤り
下肢の支配領域が外側に存在する。
下肢・足の領域は内側面(傍中心小葉のあたり)にあり、外側にあるのは顔面や手です。前大脳動脈が閉塞すると下肢優位の麻痺、中大脳動脈では顔面・上肢優位の麻痺が出やすいのは、この配列と血管の分布が対応しているからです。
✗ 3. 誤り
組織学的には4層が発達している。
第Ⅳ層(内顆粒層)が発達しているのは一次体性感覚野などの感覚性皮質(顆粒皮質)で、視床からの入力を受けるためです。運動野は逆に第Ⅳ層が乏しい無顆粒皮質で、発達しているのは出力側の第Ⅴ層(内錐体細胞層、Betz細胞)です。「入力の感覚野はⅣ層、出力の運動野はⅤ層」と対で覚えましょう。
✗ 4. 誤り
障害により同側の運動麻痺が生じる。
皮質脊髄路の大部分は延髄下端の錐体交叉で反対側へ渡るため、麻痺は病巣と反対側(対側)に現れます。同側に麻痺が出るのは錐体交叉より下、すなわち脊髄レベルの障害のときです。
ポイント
  • 一次運動野=中心前回=Brodmann 4野。中心後回は一次体性感覚野(3・1・2野)。
  • 体部位再現は「内側が下肢、外側が顔・手」。手と口の領域が不釣り合いに広い。
  • 運動野は無顆粒皮質(第Ⅳ層が薄い)。第Ⅴ層のBetz細胞が錐体路の起始細胞。
  • 皮質脊髄路は延髄錐体で大部分が交叉するため、上位運動ニューロン障害は対側の痙性麻痺、腱反射亢進、Babinski徴候陽性を示す。
  • 運動前野・補足運動野(6野)は運動のプログラム、8野は前頭眼野で眼球の随意運動に関わる。
比較表
項目一次運動野一次体性感覚野
場所中心前回(中心溝の前)中心後回(中心溝の後ろ)
Brodmann野4野3・1・2野
皮質構築無顆粒皮質(第Ⅳ層が乏しく、第Ⅴ層が発達)顆粒皮質(第Ⅳ層が発達)
信号の向き出力(Betz細胞から錐体路へ)入力(視床からの感覚を受ける)
体部位再現内側=下肢、外側=顔・手同様に内側=下肢、外側=顔・手
障害の症状対側の痙性麻痺対側の感覚(触覚・深部感覚)の障害
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