学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §6 栄養と代謝 / QJ26A069

理由で解く 柔道整復師

QJ26A069 生理学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問69
問題
1g当たりのエネルギー発生量が最も大きいのはどれか。
選択肢
1 糖質
2 脂質
3 ビタミン
4 蛋白質
解答
正解2(脂質)
解説

1g当たりのエネルギー発生量が最も大きいのは脂質で、約9kcal/gである。糖質と蛋白質はいずれも約4kcal/gで、ビタミンはエネルギー源にならない。

これらの数値は生理的燃焼値(アトウォーター係数)と呼ばれ、実際にヒトの体内で利用できる量を表している。脂質は分子中の炭素と水素の割合が高く、酸化されたときに取り出せるエネルギーが大きいため、同じ重さでも糖質・蛋白質の2倍以上になる。エネルギーを詰め込みやすいので、体が余剰エネルギーを中性脂肪として蓄えるのは理にかなっている。蛋白質は試験管内で完全燃焼させると約5.65kcal/gだが、体内では窒素を尿素として排泄するぶんが利用できず、消化吸収率も加味して約4kcal/gに落ち着く。ビタミンは補酵素などとして代謝の反応を助ける微量栄養素で、それ自体は燃えてエネルギーを生む物質ではない。参考までにアルコールは約7kcal/gである。

✗ 1. 誤り
糖質
約4kcal/g。素早く使えるエネルギー源で、脳や赤血球にとっては欠かせないが、1g当たりの量では脂質に及ばない。
✓ 2. 正しい
脂質
約9kcal/gで三大栄養素のなかで最大。炭素と水素の比率が高く酸化で得られるエネルギーが大きいため、貯蔵に適した形でもある。
✗ 3. 誤り
ビタミン
補酵素などとして代謝を円滑にする微量栄養素であり、エネルギーは産生しない(0kcal/g)。エネルギー産生栄養素は糖質・脂質・蛋白質の三大栄養素である。
✗ 4. 誤り
蛋白質
約4kcal/g。物理的燃焼値は約5.65kcal/gだが、窒素を尿素として捨てる分が利用できないため生理的燃焼値は糖質と同じ約4kcal/gになる。本来の役割は体構成成分・酵素・ホルモンの材料である。
ポイント
  • 生理的燃焼値(アトウォーター係数)は 糖質4・脂質9・蛋白質4 kcal/g。脂質が最大。
  • ビタミンとミネラルはエネルギーを産生しない微量栄養素。三大栄養素に含まれない。
  • 蛋白質は物理的燃焼値約5.65kcal/gだが、尿素として捨てる窒素分があるため体内では約4kcal/g。
  • 脂質は炭素・水素の比率が高いのでエネルギー密度が高く、貯蔵形態(中性脂肪)として合理的。
  • アルコールは約7kcal/gで、糖質・蛋白質より高い。
比較表
栄養素生理的燃焼値主な役割備考
糖質約4kcal/g即効性のエネルギー源脳・赤血球の主要な燃料
脂質約9kcal/gエネルギー源・貯蔵・生体膜の成分三大栄養素で最大
蛋白質約4kcal/g体構成成分・酵素・ホルモンの材料物理的燃焼値は約5.65kcal/g
ビタミン0kcal/g補酵素などとして代謝を助ける微量栄養素、エネルギー源ではない
(参考)アルコール約7kcal/g栄養素としての位置づけは別扱い
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