学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ26A057

理由で解く 柔道整復師

QJ26A057 解剖学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問57
問題
デルマトームの分布領域を示す神経はどれか。
選択肢
1 運動神経
2 感覚神経
3 交感神経
4 副交感神経
解答
正解2(感覚神経)
解説

デルマトーム(皮膚分節)は、1本の後根=1つの脊髄神経節が受け持つ帯状の皮膚領域です。したがって示しているのは感覚神経の分布です。

脊髄神経は、運動線維を含む前根と感覚線維を含む後根が合わさってできます。後根の感覚線維の細胞体は脊髄神経節(後根神経節)にあり、その1分節が受け持つ皮膚の帯をデルマトームと呼びます。体幹では肋間神経に沿ってほぼ水平な帯として並びますが、四肢では発生の途中で肢芽が伸び出すため、ねじれて縦長の帯に見えます。臨床でよく使う目印は、C6が母指、C8が小指、Th4が乳頭、Th10が臍、L4が下腿内側から母趾、S1が足の外側などです。隣り合うデルマトームは互いに重なり合っているため、1分節だけが遮断されても感覚が完全には消えにくいという性質があります。実際の評価では、患者が訴えるしびれや感覚低下の分布をデルマトーム図に当てて障害高位を絞り込み、筋分節(ミオトーム)に基づく筋力と腱反射(上腕二頭筋反射C5‑6、上腕三頭筋反射C7‑8、膝蓋腱反射L3‑4、アキレス腱反射S1‑2)で裏づけを取る、という手順で進めます。

✓ 2. 正しい
感覚神経
デルマトームは後根を通る感覚線維が受け持つ皮膚領域の区分です。感覚障害の分布から、どの脊髄分節または後根が障害されているかを推定するために使います。
✗ 1. 誤り
運動神経
1つの脊髄分節が支配する筋のまとまりは筋分節(ミオトーム)と呼び、デルマトームとは別の概念です。運動側は徒手筋力検査や腱反射で確かめます。両者を対にして覚えると混同を避けられます。
✗ 3. 誤り
交感神経
交感神経は皮膚では汗腺・立毛筋・血管の調節を担い、その分布も脊髄分節に対応してはいますが、デルマトームという語が指すのはあくまで皮膚の知覚領域の区分です。
✗ 4. 誤り
副交感神経
副交感神経は皮膚の汗腺・立毛筋・血管には分布せず、頭部の腺(涙腺・唾液腺)や胸腹部内臓、骨盤内臓に向かいます。皮膚の分節的な分布を示す神経ではありません。
ポイント
  • デルマトーム=1つの後根(脊髄神経節)が受け持つ帯状の皮膚領域。感覚神経の分布。
  • 運動側の対応はミオトーム(筋分節)。前根=運動、後根=感覚とセットで押さえる。
  • 目印はC6母指、C8小指、Th4乳頭、Th10臍、L4下腿内側〜母趾、S1足外側。
  • 隣接する分節が重なるため、1分節の障害では感覚が完全には消失しにくい。
  • 使い方は「訴えの部位をデルマトーム図に当てて高位を絞る→筋力と腱反射で裏を取る」の順。
比較表
項目デルマトーム(皮膚分節)ミオトーム(筋分節)
対応する根後根(感覚)前根(運動)
示すもの1分節が受け持つ皮膚の帯1分節が支配する筋のまとまり
調べ方触覚・痛覚の分布を確かめる徒手筋力検査、腱反射
代表的な目印C6母指/C8小指/Th4乳頭/Th10臍/L4下腿内側/S1足外側C5肩外転/C6手関節背屈/C7肘伸展/L4膝伸展/S1足底屈
特徴隣接分節と重なる1つの筋が複数分節の支配を受ける
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