学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ26A056

理由で解く 柔道整復師

QJ26A056 解剖学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問56
問題
正しいのはどれか。
選択肢
1 上腕深動脈に伴走する神経は上腕屈筋群を支配する。
2 上腕動脈に伴走し肘窩を通る神経は前腕屈筋群を支配する。
3 上腕二頭筋の内側縁に沿う神経は前腕伸筋群を支配する。
4 上腕骨外科頸に沿う神経は大円筋を支配する。
解答
正解2(上腕動脈に伴走し肘窩を通る神経は前腕屈筋群を支配する。)
解説

上腕動脈に伴走して肘窩を通る神経は正中神経であり、前腕屈筋群の大部分を支配する。上肢の神経は「どの血管と一緒に走るか」で覚えると位置と支配が一致する。

上腕では、上腕動脈と正中神経・尺骨神経が内側二頭筋溝(上腕二頭筋の内側縁)を下行し、上腕深動脈と橈骨神経が上腕骨後面の橈骨神経溝を回って外側へ抜ける。つまり「内側=屈筋を支配する神経(正中・尺骨)」「後方から外側=伸筋を支配する神経(橈骨)」という大きな区分ができる。正中神経は肘窩を上腕動脈とともに通り、円回内筋の二頭の間を抜けて前腕屈筋群(尺側手根屈筋と深指屈筋尺側半を除く)を支配する。橈骨神経は上腕三頭筋と前腕伸筋群を支配し、腋窩神経は上腕骨外科頸を後ろから回って三角筋と小円筋を支配する。大円筋は肩甲下神経(下肩甲下神経)支配であり、腋窩神経ではない点が引っかけになりやすい。

✓ 2. 正しい
上腕動脈に伴走し肘窩を通る神経は前腕屈筋群を支配する。
該当するのは正中神経である。上腕動脈とともに内側二頭筋溝を下行して肘窩を通り、円回内筋を貫いて前腕へ入り、前腕屈筋群の大部分(尺側手根屈筋と深指屈筋の尺側半を除く)と母指球筋を支配する。
✗ 1. 誤り
上腕深動脈に伴走する神経は上腕屈筋群を支配する。
上腕深動脈に伴走するのは橈骨神経で、両者は上腕骨後面の橈骨神経溝を通る。橈骨神経が支配するのは上腕三頭筋(伸筋群)と前腕伸筋群であり、上腕屈筋群(上腕二頭筋・上腕筋・烏口腕筋)を支配するのは筋皮神経である。
✗ 3. 誤り
上腕二頭筋の内側縁に沿う神経は前腕伸筋群を支配する。
上腕二頭筋の内側縁(内側二頭筋溝)を走るのは上腕動脈・正中神経・尺骨神経であり、いずれも屈筋側の神経である。前腕伸筋群を支配する橈骨神経は後面から外側上腕筋間中隔を貫いて上腕筋と腕橈骨筋の間へ出るため、内側縁は通らない。
✗ 4. 誤り
上腕骨外科頸に沿う神経は大円筋を支配する。
上腕骨外科頸を後方から回るのは腋窩神経で、支配するのは三角筋と小円筋、および上外側上腕皮神経領域の知覚である。大円筋を支配するのは肩甲下神経(下肩甲下神経)である。外科頸骨折や肩関節脱臼で腋窩神経が損傷されると三角筋麻痺と肩外側の知覚障害が出るため、この2つを必ず確認する。
ポイント
  • 上腕深動脈+橈骨神経=上腕骨後面の橈骨神経溝。支配は上腕三頭筋と前腕伸筋群。
  • 上腕動脈+正中神経・尺骨神経=内側二頭筋溝。正中神経は肘窩を通り前腕屈筋群を支配。
  • 上腕屈筋群(上腕二頭筋・上腕筋・烏口腕筋)は筋皮神経支配。
  • 腋窩神経は上腕骨外科頸を回り、三角筋と小円筋を支配。大円筋は肩甲下神経支配。
  • 外科頸骨折・肩関節脱臼では腋窩神経麻痺(三角筋の脱力と肩外側の知覚鈍麻)を必ずチェックする。
比較表
神経伴走する血管・部位支配筋
橈骨神経上腕深動脈/橈骨神経溝(上腕骨後面)上腕三頭筋、前腕伸筋群
正中神経上腕動脈/内側二頭筋溝・肘窩前腕屈筋群の大部分、母指球筋
尺骨神経内側二頭筋溝→尺骨神経溝(肘後内側)尺側手根屈筋、深指屈筋尺側半、手内在筋
筋皮神経烏口腕筋を貫き上腕二頭筋の深層上腕屈筋群(上腕二頭筋・上腕筋・烏口腕筋)
腋窩神経後上腕回旋動脈/上腕骨外科頸三角筋、小円筋
肩甲下神経肩甲骨前面肩甲下筋、大円筋
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