学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §9 神経系 / QJ26A055

理由で解く 柔道整復師

QJ26A055 解剖学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問55
問題
運動線維のみからなる脳神経はどれか。
選択肢
1 動眼神経
2 三叉神経
3 顔面神経
4 舌下神経
解答
正解4(舌下神経)
解説

舌下神経は舌筋だけを支配する純粋な運動神経です。動眼神経は副交感線維を、三叉神経と顔面神経は知覚線維を伴うため、「運動線維のみ」には当たりません。

脳神経は含む線維の種類で分類できます。知覚線維だけからなるのはⅠ嗅神経・Ⅱ視神経・Ⅷ内耳神経の3本。運動性が主なのはⅢ動眼・Ⅳ滑車・Ⅵ外転・Ⅺ副・Ⅻ舌下の5本ですが、このうちⅢ動眼神経だけは動眼神経副核(Edinger‑Westphal核)から出る副交感線維を含み、毛様体神経節で乗り換えて瞳孔括約筋と毛様体筋を支配します。したがって体性運動線維だけで構成されるのはⅣ滑車・Ⅵ外転・Ⅺ副・Ⅻ舌下の4本です。残るⅤ三叉・Ⅶ顔面・Ⅸ舌咽・Ⅹ迷走は混合性で、知覚や副交感を伴います。副交感線維を出す脳神経がⅢ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹの4本であることを先に押さえておくと、この設問は消去法で速く解けます。

✓ 4. 正しい
舌下神経
延髄の舌下神経核から出て舌下神経管を通り、内舌筋(上縦舌筋・下縦舌筋・横舌筋・垂直舌筋)と外舌筋(オトガイ舌筋・舌骨舌筋・茎突舌筋)を支配します。知覚線維も副交感線維も含まない、体性運動線維のみの神経です。
✗ 1. 誤り
動眼神経
上眼瞼挙筋、上直筋・下直筋・内側直筋・下斜筋を動かす体性運動線維に加え、動眼神経副核から出る副交感線維を含みます。この副交感線維が毛様体神経節で乗り換えて瞳孔括約筋と毛様体筋に至り、対光反射と近見調節を担うため、「運動線維のみ」とは言えません。
✗ 2. 誤り
三叉神経
眼神経・上顎神経・下顎神経の3枝で顔面の知覚を広く担う大きな知覚神経であり、そこに下顎神経を通る運動線維(咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋などの咀嚼筋を支配)が加わった混合神経です。
✗ 3. 誤り
顔面神経
表情筋を動かす運動線維のほか、鼓索神経を通る舌前2/3の味覚線維(知覚)と、涙腺・顎下腺・舌下腺へ向かう副交感線維(大錐体神経・鼓索神経)を含む混合神経です。3種類の線維をあわせ持つ点が特徴です。
ポイント
  • 知覚線維のみはⅠ嗅・Ⅱ視・Ⅷ内耳の3本。
  • 「運動線維のみ」で厳密に答えるならⅣ滑車・Ⅵ外転・Ⅺ副・Ⅻ舌下の4本。
  • Ⅲ動眼は副交感(瞳孔括約筋・毛様体筋)を含むため、この設問では外す。
  • 副交感線維を出すのはⅢ動眼・Ⅶ顔面・Ⅸ舌咽・Ⅹ迷走の4本。混合性はⅤ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ。
  • 選択肢に動眼神経と舌下神経が並んだら、副交感の有無で判断して舌下神経を選ぶ、と手順を決めておく。
比較表
脳神経線維の構成副交感の有無
Ⅰ 嗅神経知覚のみなし
Ⅱ 視神経知覚のみなし
Ⅲ 動眼神経運動+副交感あり(毛様体神経節)
Ⅳ 滑車神経運動のみなし
Ⅴ 三叉神経知覚+運動(混合)なし
Ⅵ 外転神経運動のみなし
Ⅶ 顔面神経運動+知覚(味覚)+副交感あり(翼口蓋神経節・顎下神経節)
Ⅷ 内耳神経知覚のみなし
Ⅸ 舌咽神経運動+知覚(味覚)+副交感あり(耳神経節)
Ⅹ 迷走神経運動+知覚+副交感あり(臓器近傍の神経節)
Ⅺ 副神経運動のみなし
Ⅻ 舌下神経運動のみなし
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