学習トップ理由で解く 柔道整復師解剖学 ▸ §2 運動器系 / QJ26A037

理由で解く 柔道整復師

QJ26A037 解剖学

出典:第26回柔道整復師国家試験(2018)午前 問37
問題
図Aの矢印の部位に停止する筋が起始するのは図Bのどれか。
図
選択肢
1 a
2 b
3 c
4 d
解答
正解3
解説

図Aの矢印は大腿骨上端の大転子(尖部の外側面)を指す。ここに停止する筋は中殿筋で、その起始は腸骨翼の外面=殿筋面である。図Bで殿筋面を指しているのは c。

図Aは大腿骨の上端で、右上の球状部が大腿骨頭、そこから外下方に伸びる頸部の外側端で大きく張り出しているのが大転子、頸部の内下方にある小さな隆起が小転子である。大転子は停止部の集まる場所で、外側面に中殿筋、前面に小殿筋、尖端(上縁)に梨状筋が付き、その内側のくぼみである転子窩には内閉鎖筋・上双子筋・下双子筋・外閉鎖筋が付く。図Bには寛骨だけが描かれているので、仙骨前面から起こる梨状筋はこの時点で候補から外れる。残る中殿筋・小殿筋はどちらも腸骨翼の外面(殿筋面)から起こるため、寛骨の外側面を描いた図(図Bの右)で腸骨翼の外面を指す点を選べばよい。中殿筋は殿筋面のうち前殿筋線と後殿筋線の間から起こって大転子外側面に停止し、股関節を外転させるとともに、片脚立位で骨盤を水平に保つはたらきをもつ。支配は上殿神経で、これが障害されると片脚立位で遊脚側の骨盤が下がるトレンデレンブルグ徴候が現れる。

✗ 1. 誤り
a
図Bの左は寛骨の内側面(骨盤腔側)で、a は腸骨翼内面の浅く広いくぼみ=腸骨窩を指す。ここから起こるのは腸骨筋で、大腰筋と合して腸腰筋となり、大転子ではなく小転子に停止する。
✗ 2. 誤り
b
b も寛骨の内側面で、閉鎖孔の下内側縁、恥骨下枝の内面あたりを指す。閉鎖孔のまわりの骨面と閉鎖膜の内面から起こるのは内閉鎖筋で、小坐骨孔を通って大転子内側の転子窩に停止する。矢印が指す大転子外側面ではない。
✓ 3. 正しい
c
図Bの右は寛骨の外側面で、中央の深いくぼみが寛骨臼、その右下が閉鎖孔、左下の粗い隆起が坐骨結節である。c はそれらの上方に広がる腸骨翼の外面(殿筋面)を指す。ここが、大転子外側面に停止する中殿筋(および大転子前面に停止する小殿筋)の起始であり、矢印の部位と結びつく。
✗ 4. 誤り
d
d は寛骨外側面の後下部にある大きな粗い隆起=坐骨結節である。ここから起こるのは大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋(ハムストリングス)、大内転筋の一部、下双子筋、大腿方形筋で、停止は脛骨・腓骨や大腿骨の粗線・転子間稜であり、大転子外側面ではない。
ポイント
  • 図Aの矢印=大転子(外側面)、図Bの c =腸骨翼外面の殿筋面。両者を結ぶ筋が中殿筋
  • 中殿筋:起始=腸骨翼外面(前殿筋線と後殿筋線の間)/停止=大転子外側面/作用=股関節外転・片脚立位での骨盤水平保持/支配=上殿神経
  • 大転子に停止するのは中殿筋(外側面)・小殿筋(前面)・梨状筋(尖端)。転子窩には内閉鎖筋・上下双子筋・外閉鎖筋、小転子には腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)が停止する。
  • 寛骨の内側面には腸骨窩(腸骨筋の起始)と耳状面、外側面には殿筋面(中殿筋・小殿筋の起始)・寛骨臼・坐骨結節(ハムストリングスの起始)がある。内側面か外側面かを見分けてから点を選ぶ。
  • 上殿神経障害で中殿筋が働かないと、片脚立位で遊脚側の骨盤が下がるトレンデレンブルグ徴候が出る。
比較表
図Bの点指している部位そこから起こる主な筋停止支配神経
a腸骨窩(腸骨翼の内面)腸骨筋小転子(腸腰筋として)大腿神経
b閉鎖孔周囲の内面・閉鎖膜内面(恥骨下枝〜坐骨枝)内閉鎖筋転子窩内閉鎖筋神経(仙骨神経叢)
c(正答)腸骨翼の外面=殿筋面中殿筋・小殿筋大転子外側面(小殿筋は前面)上殿神経
d坐骨結節大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋、大腿方形筋腓骨頭・脛骨、転子間稜坐骨神経ほか
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