学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ26A024
理由で解く 柔道整復師
ベネット骨折は第1中手骨基部の関節内骨折に手根中手(CM)関節の脱臼を伴うもので、母指は内転・屈曲した変形を呈する。正答は4。
母指CM関節は大菱形骨と第1中手骨がつくる鞍関節である。母指に軸圧と屈曲が加わると、基部の掌尺側に三角形の小骨片が生じるが、この小骨片は前斜走靱帯によって大菱形骨につなぎ止められて元の位置に残る。残された小骨片を置き去りにして、第1中手骨本体だけが長母指外転筋の牽引で橈背側かつ近位へ引き上げられ、CM関節は亜脱臼する。中手骨本体の転位方向はこの一方向だけである。一方、母指内転筋は第1中手骨ではなく母指基節骨底に停止する筋で、基節骨を介して母指全体を内転方向へ引く。その結果、外から見た母指は内転し屈曲したような肢位をとる。つまり「中手骨基部に起こる転位(橈背側・近位)」と「外見上の母指の肢位(内転・屈曲)」は別のもので、ここを混同すると転位方向を取り違える。転位させている筋を押さえておけば、整復方向(末梢牽引しながら母指を外転・伸展させ、基部を尺掌側へ押す)もそのまま導ける。
| 項目 | ベネット骨折 | ローランド骨折 |
|---|---|---|
| 部位 | 第1中手骨基部の関節内 | 第1中手骨基部の関節内 |
| 骨折型 | 掌尺側の小骨片+中手骨本体(2骨片) | T字・Y字型の粉砕(3骨片以上) |
| 脱臼 | CM関節の亜脱臼を伴う | 関節面の粉砕を伴う |
| 整復・保持 | 整復は可能だが再転位しやすい | 整復・保持がさらに困難 |
| 予後 | 変形治癒でCM関節症を残しうる | より不良、観血的治療となることが多い |
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