学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §24 臨床実地問題 / QJ25P108
理由で解く 柔道整復師

打撲を契機に膝蓋骨上外側部の圧痛と運動時・運動後の鈍痛が1か月続き、腫脹も安静時痛も不安感(apprehension)もない――この組合せから考えられるのは有痛性の分裂膝蓋骨です。
分裂膝蓋骨は膝蓋骨の骨化過程で副骨核が癒合せずに残ったもので、大半はザウペ(Saupe)分類III型、すなわち上外側に分裂片を持つ型です。分裂部には外側広筋や外側膝蓋支帯の牽引力が加わるため、打撲やスポーツによる使いすぎが引き金となって有痛性になります。単純エックス線では分裂線の辺縁が丸みを帯びて硬化像を伴うのが特徴で、急性骨折の鋭く不整な骨折線とは性状が異なります。本症例は膝の腫脹・安静時痛がなく、骨偏位や不安感テストも陰性、踵殿距離にも左右差がないため、脱臼・骨折・大腿四頭筋の柔軟性低下を背景とする病態のいずれも積極的には支持されません。対応は運動量と動作の調整、大腿四頭筋(特に外側広筋)のストレッチングと段階的な負荷管理で、痛みが続く場合は整形外科での評価につなげます。
| 疾患 | 圧痛の主な部位 | 特徴的な所見 |
|---|---|---|
| 分裂膝蓋骨 | 膝蓋骨上外側 | 運動時・運動後の鈍痛。腫脹に乏しい。分裂線の辺縁は平滑・硬化 |
| 膝蓋骨脱臼 | 内側膝蓋支帯・膝蓋骨内縁 | apprehension sign陽性、関節血腫、外側への骨偏位 |
| 膝蓋骨骨折 | 骨折線に一致 | 受傷直後からの著明な腫脹・血腫、伸展機構の障害 |
| 膝蓋腱靱帯炎 | 膝蓋骨下極~膝蓋腱 | ジャンプ・着地時痛。大腿四頭筋の柔軟性低下(踵殿距離の左右差) |
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