学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ25P096

理由で解く 柔道整復師

QJ25P096 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問96
問題
成人で発症するのはどれか。
選択肢
1 パンナー(Panner)病
2 キーンベック(Kienböck)病
3 フライバーグ(Freiberg)病
4 セーバー(Sever)病
解答
正解2(キーンベック(Kienböck)病)
解説

キーンベック病(月状骨軟化症)は20~40歳台の、手を酷使する成人に好発します。他の3つは成長期の骨端核に生じる骨端症で、成人発症とは結びつきません。

骨端症は、骨端核が存在する成長期に血行が障害されて壊死・分節化・修復をたどる病態です。したがって発症年齢は骨端核が活動している時期に限られ、その部位の骨端核が閉じてしまえば発症しません。パンナー病は上腕骨小頭(5~10歳頃の男児)、フライバーグ病は第2中足骨頭(思春期の女子に多い)、セーバー病は踵骨骨端(8~12歳前後でアキレス腱の牽引が加わる年代)が舞台です。一方キーンベック病は月状骨に生じる阻血性壊死で、成長が終わった年代に、手関節への反復した負荷や尺骨マイナス変異などを背景に発症します。

✓ 2. 正しい
キーンベック(Kienböck)病
月状骨の阻血性壊死で、20~40歳台の手を使う職業や作業をする人に多く発症します。手関節背側中央(月状骨部)の腫脹・圧痛、握力低下、背屈制限が特徴です。作業を続けると月状骨の圧潰が進むため、負荷の軽減とともに整形外科で画像評価(病期分類)を受けられるようにします。
✗ 1. 誤り
パンナー(Panner)病
上腕骨小頭の骨端症で、5~10歳頃(10歳未満)の男児に発症します。肘外側の痛みと軽度の可動域制限を示しますが、成人での発症はありません。同じ肘外側でも、おおむね10歳以降~思春期に問題となるのは離断性骨軟骨炎で、両者は年齢帯で切り分けられます。
✗ 3. 誤り
フライバーグ(Freiberg)病
第2中足骨頭の骨端症(第2ケーラー病)で、思春期の女子に多く発症します。中足骨頭部の腫脹・圧痛と歩行時痛が出ますが、成人で新たに発症する疾患ではありません。
✗ 4. 誤り
セーバー(Sever)病
踵骨骨端症(踵骨骨端核の障害)で、8~12歳前後のスポーツをする小児に生じます。アキレス腱の牽引による踵後方の痛みが特徴で、骨端核が癒合すれば自然に問題は解消します。成人発症ではありません。
ポイント
  • 骨端症=成長期の骨端核が舞台。骨端核が閉じた成人では発症しない。
  • キーンベック病:月状骨の阻血性壊死、20~40歳台の手を酷使する成人に好発。
  • パンナー病:上腕骨小頭、5~10歳頃(10歳未満)の男児。10歳以降~思春期の肘外側障害は離断性骨軟骨炎で、年齢帯で切り分ける。
  • フライバーグ病:第2中足骨頭、思春期の女子に多い。
  • セーバー病:踵骨骨端、8~12歳前後。アキレス腱の牽引が誘因。
  • 手関節背側中央の痛み+握力低下が続くときは、負荷を減らしたうえで整形外科の画像評価につなげる。
比較表
疾患部位好発年齢・性
キーンベック病月状骨20~40歳台の成人(手を使う作業者に多い)
パンナー病上腕骨小頭5~10歳頃(10歳未満)の男児
(参考)離断性骨軟骨炎上腕骨小頭おおむね10歳以降~思春期
フライバーグ病第2中足骨頭思春期、女子に多い
セーバー病踵骨骨端8~12歳前後
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