学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ25P095

理由で解く 柔道整復師

QJ25P095 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問95
問題
関連筋で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 上腕骨外側上顆炎-示指伸筋
2 上腕骨内側上顆炎-尺側手根屈筋
3 ステナー損傷-母指対立筋
4 ばね指 -短母指屈筋
解答
正解2(上腕骨内側上顆炎-尺側手根屈筋)
解説

上腕骨内側上顆には円回内筋・橈側手根屈筋・尺側手根屈筋などの前腕屈筋回内筋群が起始し、内側上顆炎はこの共同起始部の使いすぎで生じます。よって「上腕骨内側上顆炎-尺側手根屈筋」が正しい組合せです。

起始部と症状部位を結びつけると整理できます。外側上顆には手関節伸筋群が起始し、外側上顆炎(テニス肘)では短橈側手根伸筋の起始部が主座になります。内側上顆には屈筋回内筋群が起始し、ゴルフのスイングや投球の加速期など前腕回内・手関節掌屈を繰り返す動作で内側上顆炎が起こります。ステナー損傷は母指MP関節尺側側副靱帯の断端が母指内転筋腱膜の表層に乗り上げて元に戻れなくなった状態、ばね指は屈筋腱とA1腱鞘(靱帯性腱鞘)の間の通過障害で、それぞれ関与する筋・腱が異なります。

✓ 2. 正しい
上腕骨内側上顆炎-尺側手根屈筋
尺側手根屈筋は円回内筋・橈側手根屈筋・長掌筋・浅指屈筋とともに内側上顆から起こる屈筋回内筋群の一員で、内側上顆炎の関連筋として妥当です。誘発テストは手関節掌屈への抵抗や前腕回内抵抗で、内側上顆部に痛みが出ます。対応は誘因動作の量と質の調整、屈筋回内筋群のストレッチングと段階的な筋力強化です。
✗ 1. 誤り
上腕骨外側上顆炎-示指伸筋
外側上顆炎で主に障害されるのは短橈側手根伸筋の起始部で、次いで総指伸筋が関与します。示指伸筋は前腕遠位(尺骨・骨間膜)から起こり外側上顆には起始しないため、関連筋の組合せとしては適切ではありません。
✗ 3. 誤り
ステナー損傷-母指対立筋
ステナー損傷は母指MP関節尺側側副靱帯断裂に伴い、断裂した靱帯断端が母指内転筋腱膜の表層に乗り上げて介在する状態です。腱膜が邪魔をして靱帯が付着部に戻れないため保存療法では治りにくく、手術適応となります。母指対立筋は関与しません。
✗ 4. 誤り
ばね指 -短母指屈筋
ばね指(狭窄性腱鞘炎)はMP関節掌側のA1腱鞘部で屈筋腱の滑走が妨げられるもので、母指では長母指屈筋腱、他指では浅指屈筋腱・深指屈筋腱が関与します。短母指屈筋は母指球の内在筋で腱鞘内を走る腱ではないため、組合せとして適切ではありません。
ポイント
  • 外側上顆=伸筋群の起始:外側上顆炎の主座は短橈側手根伸筋。
  • 内側上顆=屈筋回内筋群の起始:円回内筋・橈側手根屈筋・尺側手根屈筋・長掌筋・浅指屈筋。
  • ステナー損傷=母指MP尺側側副靱帯断裂+母指内転筋腱膜の介在。手術適応となる。
  • ばね指=A1腱鞘部の通過障害。母指では長母指屈筋腱が関与する。
  • いずれも誘因動作の調整とストレッチングが基本。改善しない・引っかかりが強い例は医療機関へ紹介する。
比較表
疾患・損傷部位関連する筋・腱
上腕骨外側上顆炎外側上顆(伸筋共同起始)短橈側手根伸筋(次いで総指伸筋)
上腕骨内側上顆炎内側上顆(屈筋回内筋群の起始)円回内筋・橈側手根屈筋・尺側手根屈筋など
ステナー損傷母指MP関節尺側母指内転筋腱膜が靱帯断端に介在
ばね指MP関節掌側のA1腱鞘母指=長母指屈筋腱、他指=浅/深指屈筋腱
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