学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §15 各論(骨折) 頭部・体幹 / QJ25P094

理由で解く 柔道整復師

QJ25P094 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問94
問題
胸骨骨折で多いのはどれか。
選択肢
1 縦骨折
2 横骨折
3 斜骨折
4 複合骨折
解答
正解2(横骨折)
解説

胸骨骨折では骨折線が横走する横骨折が最も多い。正答は2。

胸骨は前額面に広がる扁平な骨で、前方からの直達外力(交通事故のハンドル外傷、シートベルト外傷など)や、体幹が強く前屈させられる介達外力で骨折する。いずれの外力も胸骨を上下方向に折り曲げる向きに働くため、骨折線は骨の長軸に対して直角、すなわち横方向に走る。好発部位は胸骨柄と胸骨体の境(胸骨角)付近と胸骨体で、転位すると遠位骨片が前方に乗り上げて階段状の変形をとる。胸骨の背側には心臓・大血管・気管があるため、胸痛の増強、呼吸困難、不整脈、血圧低下などがあれば心挫傷や大血管損傷の合併を疑い、速やかに医師の診察につなげる。安定した骨折では胸郭の動きを制限する固定と安静で対応する。

✓ 2. 正しい
横骨折
直達外力でも体幹前屈による介達外力でも、胸骨には上下に折り曲げる力が加わるため、骨折線は横走する。胸骨角付近と胸骨体に多い。
✗ 1. 誤り
縦骨折
縦骨折が生じるには胸骨を上下に引き裂く方向の力が必要だが、実際の受傷機転ではそのような外力はかかりにくい。頻度としてまれである。
✗ 3. 誤り
斜骨折
斜骨折は骨の長軸に対して斜め方向の力(圧迫と屈曲の複合など)が加わったときに生じる型で、胸骨の典型的な受傷機転とは合致しない。
✗ 4. 誤り
複合骨折
複数の骨折線が組み合わさるような骨折は、強大な外力が加わった例外的な場合に起こりうるが、胸骨骨折全体からみて多い型ではない。むしろそうした高エネルギー外傷では、胸腔内臓器の合併損傷の評価が優先される。
ポイント
  • 胸骨骨折は横骨折が最も多く、好発部位は胸骨角付近と胸骨体。
  • 受傷機転は前方からの直達外力(ハンドル外傷)と体幹過屈曲による介達外力。
  • 転位すると遠位骨片が前方に乗り上げ、階段状変形を示す。
  • 背側の心臓・大血管・気管の損傷合併に注意し、呼吸困難・不整脈・血圧低下があれば直ちに医師へ紹介する。
  • 安定型は胸郭の動きを制限する固定と安静で対応する。
比較表
骨折型骨に加わる外力の向き胸骨での頻度
横骨折胸骨を上下に折り曲げる力(前方からの直達外力=ハンドル外傷、体幹過屈曲による介達外力)最も多い
縦骨折長軸方向に引き裂く力まれ
斜骨折長軸に対して斜めに働く圧迫と屈曲の複合まれ
複合(粉砕を含む)骨折強大な高エネルギー外力例外的。胸腔内臓器の合併損傷評価が優先
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