学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §23 各論(軟部組織損傷) 下肢 / QJ25P097
理由で解く 柔道整復師
非外傷性(習慣性)腓骨筋腱脱臼は、上腓骨筋支帯の欠損・弛緩や腓骨筋腱溝の形成不全という素因を背景に、明らかな外傷なく腱が外果を乗り越えるものです。急性(外傷性)例の受傷肢位も足関節の背屈+外がえし強制であり、いずれにせよ内返しは主たる機序ではないため、選択肢1が誤りです。
長腓骨筋腱・短腓骨筋腱は外果後方の腓骨筋腱溝を通り、上腓骨筋支帯によって溝の中に押さえられています。この「溝の深さ」と「支帯の押さえ」のどちらかが弱いと、腱は外果を乗り越えて前外側へ滑り出ます。腓骨筋腱溝が浅い・平坦である、支帯が欠損している、といった解剖学的素因を持つ人では、明らかな外傷がなくても日常動作やスポーツ動作で脱臼を繰り返します(非外傷性・習慣性)。一方、急性例は足関節の背屈+外がえしが強制された際に腓骨筋群が急激(反射的)に収縮し、その張力で上腓骨筋支帯が破綻して起こります。内返し強制で第一に疑うのは前距腓靱帯を中心とする外側靱帯損傷であり、本症の主たる機序ではありません。反復する場合は支帯の修復・再建や腱溝形成術が検討されるため、整形外科での評価につなげます。
| 外傷性(急性)腓骨筋腱脱臼 | 非外傷性(習慣性)腓骨筋腱脱臼(本問) | |
|---|---|---|
| きっかけ | スキー・球技などでの背屈+外がえし強制 | 明らかな外傷機転を欠く。軽微な動作、日常動作でも反復 |
| 背景 | 支帯の急性断裂・剥離 | 支帯の欠損/弛緩、腱溝の形成不全という素因 |
| 所見 | 外果後方の腫脹・皮下出血、強い圧痛 | 腫脹は乏しく、腱の乗り越えを自ら再現できることがある |
| 対応 | まず保存療法(固定)を試みる | 素因が残るため手術的治療の検討につなげる |
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