学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ25P085

理由で解く 柔道整復師

QJ25P085 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問85
問題
骨片転位で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 肩甲骨上角骨折-上内方
2 上腕骨内顆骨折-後上方
3 腸骨翼単独骨折-下後方
4 脛骨外顆骨折-上前方
解答
正解1(肩甲骨上角骨折-上内方)
解説

肩甲骨上角には肩甲挙筋が付着するため、上角骨折の骨片はこの筋に引かれて上内方へ転位する。したがって正しい組合せは1である。

骨片の転位方向は、その骨片に付着する筋がどちらへ引くかで決まる。肩甲骨上角に停止する肩甲挙筋は上位頸椎の横突起から起こり、収縮すると上角を上方かつ内側(脊柱側)へ引き上げる。したがって上角の骨片は上内方へ転位する。他の選択肢も同じ考え方で検証できる。上腕骨内顆には前腕屈筋群が起始するため、骨片は屈筋群に引かれて前方・内方へ回転転位し、後上方へ転位することはない。腸骨翼単独骨折(デュベルニー骨折)では、中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋の牽引により骨片は外下方へ引かれる(下後方ではない)。脛骨外顆骨折は膝の外反強制と大腿骨外顆による突き上げで関節面が下方へ陥没する損傷であり、上前方への転位は生じない。筋の付着と外力の方向を確認する習慣をつければ、組合せ問題は個別暗記に頼らず解ける。

✓ 1. 正しい
肩甲骨上角骨折-上内方
上角に停止する肩甲挙筋が骨片を上方かつ内側へ引き上げる。付着筋の作用方向とそのまま一致する組合せである。
✗ 2. 誤り
上腕骨内顆骨折-後上方
内顆には前腕屈筋群が起始するため、骨片は屈筋群に引かれて前方・内方へ移動し回転転位を示す。後上方へ引く筋の作用は働かない。
✗ 3. 誤り
腸骨翼単独骨折-下後方
腸骨翼に付着する中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋の牽引により、骨片は外下方へ引かれる。下後方という方向は付着筋の作用と合わない。
✗ 4. 誤り
脛骨外顆骨折-上前方
外反強制により大腿骨外顆が脛骨外側の関節面を突き上げ、関節面は下方へ陥没する。荷重面が沈み込む損傷であり、上前方への転位ではない。
ポイント
  • 骨片の転位方向は「その骨片に付く筋がどちらへ引くか」で決まる。
  • 肩甲骨上角骨折 → 肩甲挙筋の牽引で上内方へ転位。
  • 上腕骨内顆骨折 → 前腕屈筋群の牽引で前方・内方への回転転位。
  • 腸骨翼単独骨折(デュベルニー骨折)→ 中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋の牽引で外下方へ転位。
  • 脛骨外顆骨折 → 外反強制+大腿骨外顆の突き上げで関節面が下方へ陥没する(転位ではなく陥没が本質)。
比較表
骨折転位を決める要因転位方向
肩甲骨上角骨折肩甲挙筋上内方
上腕骨内顆骨折前腕屈筋群前方・内方への回転転位
腸骨翼単独骨折中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋外下方
脛骨外顆骨折外反強制+大腿骨外顆の突き上げ関節面の下方陥没
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