学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ25P086

理由で解く 柔道整復師

QJ25P086 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問86
問題
下肢骨折で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 下腿骨三果部骨折→コットン(Cotton)骨折
2 膝蓋骨骨折-マルゲーニュ(Malgaigne)骨折
3 脛骨粗面裂離骨折ジョーンズ(Jones)骨折
4 脛骨骨幹部骨折-ポット(Pott)骨折
解答
正解1(下腿骨三果部骨折→コットン(Cotton)骨折)
解説

下肢の人名骨折(エポニム)を整理する問題。コットン(Cotton)骨折は下腿骨三果部骨折(内果・外果・後果)を指すので、1が正しい組合せ。

足関節果部骨折は「どの果が、いくつ折れたか」で呼び名が変わる。腓骨下端(外果)と内果が折れた二果骨折がポット骨折、これに脛骨後縁(後果)が加わった三果骨折がコットン骨折である。腓骨下端骨折に脛腓靱帯結合の離開を伴うものはデュピュイトラン骨折と呼ぶ。人名だけを丸暗記すると混同しやすいので、必ず「部位+損傷の内訳」とセットで覚えるとよい。マルゲーニュ骨折とジョーンズ骨折は同じ下肢でも部位がまったく異なるため、まず部位で切り分ける。

✓ 1. 正しい
下腿骨三果部骨折→コットン(Cotton)骨折
内果・外果・後果の3か所が骨折したものをコットン骨折という。関節面の適合性が大きく崩れるため脱臼を伴いやすく(果部脱臼骨折)、整復位保持が難しい。転位のあるものは観血療法の対象になりやすいので、早期に画像評価へつなぐ。
✗ 2. 誤り
膝蓋骨骨折-マルゲーニュ(Malgaigne)骨折
マルゲーニュ骨折は骨盤の垂直方向に生じる不安定型骨折を指す名称で、恥骨・坐骨枝の骨折と同側の腸骨骨折または仙腸関節部の離開が組み合わさったものをいう。膝蓋骨とは部位が異なる。膝蓋骨骨折で頻度が高いのは、大腿四頭筋の牽引で骨片が離開する横骨折である。
✗ 3. 誤り
脛骨粗面裂離骨折ジョーンズ(Jones)骨折
ジョーンズ骨折は第5中足骨の基部から骨幹部への移行部に生じる骨折で、この部位は血行に乏しく遷延癒合・偽関節になりやすい。一方、脛骨粗面の裂離骨折は大腿四頭筋から膝蓋腱を介した強い牽引で起こる膝伸展機構の損傷であり、別の外傷である。
✗ 4. 誤り
脛骨骨幹部骨折-ポット(Pott)骨折
ポット骨折は足関節果部の骨折、すなわち腓骨下端骨折に内果骨折を伴う二果骨折を指す。脛骨骨幹部骨折は下腿中央部の骨折で部位が異なる。果部の人名骨折はすべて足関節周辺の話だと押さえておくと、骨幹部との取り違えを防げる。
ポイント
  • コットン骨折=下腿骨三果部骨折(内果・外果・後果)。関節の適合性が崩れ脱臼を伴いやすい。
  • ポット骨折=腓骨下端骨折+内果骨折の二果骨折。
  • デュピュイトラン骨折=腓骨下端骨折+脛腓靱帯結合離開。
  • マルゲーニュ骨折=骨盤の垂直不安定型骨折。膝蓋骨ではない。
  • ジョーンズ骨折=第5中足骨基部・骨幹部移行部。血行に乏しく難治。
比較表
人名部位損傷の内訳
コットン骨折足関節(下腿骨果部)内果+外果+後果の三果骨折
ポット骨折足関節(下腿骨果部)腓骨下端+内果の二果骨折
デュピュイトラン骨折足関節(下腿骨果部)腓骨下端骨折+脛腓靱帯結合離開
マルゲーニュ骨折骨盤恥坐骨枝骨折+同側腸骨骨折・仙腸関節離開(垂直不安定型)
ジョーンズ骨折第5中足骨基部~骨幹部移行部の骨折。遷延癒合しやすい
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