学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §17 各論(骨折) 下肢 / QJ25P087

理由で解く 柔道整復師

QJ25P087 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問87
問題
裂離骨折で正しい組合せはどれか。
選択肢
1 恥骨下枝-仙結節靱帯
2 腓骨頭-短腓骨筋
3 脛骨内果-三角靱帯
4 踵骨-後脛骨筋
解答
正解3(脛骨内果-三角靱帯)
解説

裂離骨折は「その骨に付着している腱・靱帯が骨片を引き剥がす」骨折。脛骨内果には三角靱帯(内側側副靱帯)が付くので、3が正しい組合せ。

裂離骨折の問題は、骨から筋・靱帯を思い出そうとすると迷いやすい。付着部を先に覚え、そこから逆引きするのが確実である。もう一つの手がかりは外力の向きで、引き伸ばされる側は必ず外力と反対側になる。足関節が外返し(回内・外転)を強制されると内側の三角靱帯が張り、靱帯そのものが切れる前に付着部の内果を引き剥がすことが多い。逆に内返し強制では外側の前距腓靱帯・踵腓靱帯や、短腓骨筋腱の付く第5中足骨基部が問題になる。

✓ 3. 正しい
脛骨内果-三角靱帯
三角靱帯は内果から距骨・踵骨・舟状骨へ扇状に広がる強靱な靱帯で、靱帯実質が断裂するより付着部の内果が裂離することが多い。ラウゲ・ハンセン分類の回内・外転損傷や回内・外旋損傷では、この内側損傷が第1段階として起こる。
✗ 1. 誤り
恥骨下枝-仙結節靱帯
仙結節靱帯は仙骨・尾骨の外側縁から坐骨結節に付着する。裂離が起こるとすれば坐骨結節側である。坐骨結節の裂離骨折はハムストリングス(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋)の急激な収縮で生じ、ハードルやスプリントの選手にみられる。
✗ 2. 誤り
腓骨頭-短腓骨筋
腓骨頭に付くのは大腿二頭筋腱と外側(腓側)側副靱帯で、膝への内反強制や大腿二頭筋の急激な収縮で腓骨頭裂離骨折が起こる。短腓骨筋腱は第5中足骨基部に付着し、足部の内返し強制で同部の裂離骨折(いわゆる下駄骨折)を生じる。
✗ 4. 誤り
踵骨-後脛骨筋
踵骨隆起に付着するのは下腿三頭筋のアキレス腱で、その牽引により踵骨隆起の裂離骨折(アキレス腱付着部裂離)が起こる。後脛骨筋腱は主に舟状骨粗面に付着し、裂離すると舟状骨粗面の裂離骨折となる。有痛性外脛骨との関連でも押さえておきたい部位である。
ポイント
  • 裂離骨折は「付着部を覚えて逆引きする」。外力と反対側が引き伸ばされる。
  • 内果=三角靱帯(外返し強制で裂離)/外果側=前距腓・踵腓靱帯(内返し強制)。
  • 坐骨結節=仙結節靱帯・ハムストリングス、腓骨頭=大腿二頭筋腱・外側側副靱帯。
  • 第5中足骨基部=短腓骨筋腱(下駄骨折)、舟状骨粗面=後脛骨筋腱。
  • 踵骨隆起=アキレス腱(下腿三頭筋)。
比較表
骨の部位付着する腱・靱帯裂離を起こす動き
脛骨内果三角靱帯足部の外返し(回内・外転/回内・外旋)強制
坐骨結節仙結節靱帯・ハムストリングス股関節屈曲+膝伸展位での急激な収縮
腓骨頭大腿二頭筋腱・外側側副靱帯膝の内反強制、大腿二頭筋の急激な収縮
第5中足骨基部短腓骨筋腱足部の内返し強制
踵骨隆起アキレス腱下腿三頭筋の急激な収縮
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