学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ25P084

理由で解く 柔道整復師

QJ25P084 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問84
問題
第3中手骨長軸に沿った軸圧痛をみるのはどれか。
選択肢
1 月状骨骨折
2 三角骨骨折
3 小菱形骨骨折
4 有鉤骨鉤骨折
解答
正解1(月状骨骨折)
解説

第3中手骨の長軸に沿って軸圧を加えたときに痛むのは月状骨骨折である。第3中手骨—有頭骨—月状骨—橈骨がほぼ一直線に並び、力が伝わるためである。

手根骨の損傷では、どの中手骨から軸圧を加えるかで疼痛の出る骨が変わる。第3中手骨は手の中央にあり、その基部は有頭骨と関節し、有頭骨頭は月状骨の遠位面のくぼみにはまり込んでいる。したがって第3中手骨の長軸方向に押し込むと、力は有頭骨を介して月状骨、さらに橈骨遠位端へと伝わり、月状骨に損傷があればここで疼痛が誘発される。同じ理屈で、舟状骨骨折では母指または第2中手骨の長軸圧と嗅ぎタバコ入れの圧痛、有鉤骨鉤骨折では第4・5中手骨側の圧痛と手掌尺側の限局性圧痛が手がかりとなる。列(コラム)の対応を覚えておくと、どこを押せばよいかを自分で導ける。なお月状骨は血行に乏しく壊死(キーンベック病)に至ることがあるため、疼痛が長引く場合は画像評価のため医師の診察につなぐ。

✓ 1. 正しい
月状骨骨折
第3中手骨—有頭骨—月状骨が一直線上に並ぶため、第3中手骨長軸方向の軸圧が月状骨に直接伝わる。軸圧痛の出る骨として正しい。
✗ 2. 誤り
三角骨骨折
三角骨は手根の尺側近位列にあり、第3中手骨からの軸圧が直接伝わる位置にない。手関節背側尺側の限局した圧痛や、尺屈・背屈時痛が手がかりとなる。
✗ 3. 誤り
小菱形骨骨折
小菱形骨は第2中手骨基部と関節する。したがって軸圧痛を診るなら第2中手骨長軸方向に加圧すべきで、第3中手骨からの軸圧では誘発されにくい。
✗ 4. 誤り
有鉤骨鉤骨折
有鉤骨は第4・5中手骨基部と関節し、鉤は手掌尺側に突出している。手掌尺側の限局性圧痛や第4・5中手骨からの軸圧、握力低下が手がかりとなる。
ポイント
  • 第3中手骨—有頭骨—月状骨—橈骨は一直線に並ぶ。第3中手骨の軸圧痛は月状骨損傷を示唆する。
  • 第1・2中手骨(母指)の軸圧痛+嗅ぎタバコ入れの圧痛 → 舟状骨骨折。
  • 第2中手骨基部と関節するのは小菱形骨。
  • 第4・5中手骨基部と関節するのは有鉤骨。鉤骨折では手掌尺側の圧痛が特徴。
  • 月状骨・舟状骨は血行に乏しく壊死や偽関節をきたしやすいため、疼痛が長引く場合は画像評価のため医師の診察につなぐ。
比較表
軸圧を加える中手骨力が伝わる手根骨疑う損傷
第1中手骨(母指)・第2中手骨大菱形骨・舟状骨舟状骨骨折
第2中手骨小菱形骨小菱形骨骨折
第3中手骨有頭骨 → 月状骨月状骨骨折(キーンベック病も)
第4・5中手骨有鉤骨有鉤骨(鉤)骨折
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。