学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ25P083

理由で解く 柔道整復師

QJ25P083 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問83
問題
正しい組合せはどれか。
選択肢
1 尺骨骨幹部骨折-過外反肘形成
2 橈骨遠位端骨折過内反肘形成
3 中手骨頸部骨折-ナックルパート変化
4 末節骨骨折一ロッキングフィンガー変化
解答
正解3(中手骨頸部骨折-ナックルパート変化)
解説

中手骨頸部骨折では骨頭が掌側へ屈曲転位するため、手を握ったときに背側に現れるはずの隆起(ナックル)が低くなる。これがナックルパート変化で、3が正しい組合せとなる。

中手骨頸部骨折はこぶしで硬い物を殴打して生じることが多く、第5中手骨に好発するためボクサー骨折とも呼ばれる。骨間筋の牽引と受傷時の力によって遠位骨片(骨頭)が掌側へ屈曲し、握りこぶしをつくったときに背側に並ぶMP関節の高まりが患指だけ低く見える。これがナックルパート(拳頭部)の変化で、視診で健側と比較すれば把握しやすい。他の選択肢は損傷と後遺症の対応が入れ替わっている。過外反肘(外反肘)は上腕骨外顆骨折後の偽関節や成長障害による変形であり、内反肘は上腕骨顆上骨折の代表的な後遺症である。橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)で現れるのはフォーク状変形・銃剣状変形であり、肘の変形とは関係しない。また末節骨の伸筋腱付着部が損傷して生じるのはマレットフィンガー(槌指)であり、ロッキングフィンガーとは別の病態である。

✓ 3. 正しい
中手骨頸部骨折-ナックルパート変化
骨頭が掌側へ屈曲転位するため、握りこぶしをつくったときに患指のMP関節部の隆起が低くなる。損傷と外観所見の対応として正しい。
✗ 1. 誤り
尺骨骨幹部骨折-過外反肘形成
過外反肘(外反肘)は上腕骨外顆骨折後の偽関節や成長障害によって生じる変形である。尺骨骨幹部骨折で問題となるのは橈骨頭脱臼を伴うモンテギア骨折であり、対応しない。
✗ 2. 誤り
橈骨遠位端骨折過内反肘形成
橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)で生じるのはフォーク状変形・銃剣状変形である。内反肘は上腕骨顆上骨折の後遺症であり、部位も機序も異なる。
✗ 4. 誤り
末節骨骨折 一ロッキングフィンガー変化
末節骨基部の伸筋腱付着部が剥離すると生じるのはマレットフィンガー(槌指)で、DIP関節が屈曲位となり自動伸展できなくなる。ロッキングフィンガーは指が一定の肢位で動かなくなる別の病態を指す。
ポイント
  • 中手骨頸部骨折(第5指に多く、ボクサー骨折)→ 骨頭が掌側屈曲 → ナックルパート(拳頭)の隆起が低下。
  • 外反肘(過外反肘)=上腕骨外顆骨折の後遺症(偽関節・成長障害)。遅発性尺骨神経麻痺に注意。
  • 内反肘=上腕骨顆上骨折の後遺症。
  • 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)=フォーク状変形・銃剣状変形。
  • 末節骨基部の剥離骨折=マレットフィンガー(槌指)。DIP伸展位固定を行い、変形が残らないよう経過を追う。
比較表
損傷特徴的な変形・所見
中手骨頸部骨折ナックルパート変化(握りこぶしで隆起が低下)
上腕骨外顆骨折外反肘(過外反肘)、遅発性尺骨神経麻痺
上腕骨顆上骨折内反肘、フォルクマン拘縮
橈骨遠位端骨折(コーレス型)フォーク状変形・銃剣状変形
末節骨基部の剥離骨折マレットフィンガー(槌指)
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