学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §16 各論(骨折) 上肢 / QJ25P082
理由で解く 柔道整復師
橈骨近位端骨折は手をついた際の肘外反強制と長軸方向の軸圧で発生する。合併損傷の中心は上腕骨小頭骨折・肘頭骨折・前腕両骨後方脱臼・内側側副靱帯損傷であり、上腕骨内顆骨折は合併損傷として挙げられない。
手をついて転倒すると、肘関節には外反を強制する力と橈骨長軸に沿った軸圧が同時に加わる。橈骨頭は上腕骨小頭に強く突き上げられて骨折し、このとき相手側である上腕骨小頭にも骨折・骨軟骨損傷が生じうる。外反に伴って内側では内側側副靱帯が引き伸ばされて損傷し、後方要素では肘頭骨折や前腕両骨後方脱臼を伴うことがある。つまり合併損傷は「橈骨頭が突き上げる先(外側の上腕骨小頭)」「押し出される方向(後方の肘頭・後方脱臼)」「引き伸ばされる内側(内側側副靱帯)」の3方向で整理でき、内側で問題になるのは骨よりも靱帯である。一方、上腕骨内顆骨折はもともと発生頻度の低い骨折で、肘頭による滑車の突き上げや前腕屈筋群の牽引によって生じるとされる別機序の損傷であり、橈骨近位端骨折の合併損傷としては挙げられない。
| 部位 | 橈骨近位端骨折の際に加わる力 | 合併 |
|---|---|---|
| 上腕骨小頭 | 橈骨頭による突き上げ(軸圧) | しやすい |
| 肘頭 | 後方への直達外力・上腕三頭筋の牽引 | しやすい |
| 肘関節(前腕両骨後方脱臼) | 伸展位での軸圧 | しやすい |
| 内側側副靱帯 | 外反による伸張 | しやすい(骨ではなく靱帯) |
| 上腕骨内顆 | 肘頭による滑車の突き上げ・前腕屈筋群の牽引(別機序) | 合併損傷として挙げられない |
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