学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ25P072

理由で解く 柔道整復師

QJ25P072 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問72
問題
誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 手根管症候群-正中神経
2 肘部管症候群-尺骨神経
3 円回内筋症候群-橈骨神経
4 ギヨン(Guyon)管症候群-尺骨神経
解答
正解3(円回内筋症候群-橈骨神経)
解説

円回内筋症候群で絞扼されるのは正中神経であり、橈骨神経とした3の組合せが設問の答えとなる。上肢の絞扼性神経障害は「どのトンネルを、どの神経が通るか」で整理する。

正中神経は上腕から前腕へ入るとき、円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間を貫く。この部位で前腕の反復回内・回外や筋の肥厚により圧迫を受けるのが円回内筋症候群で、前腕近位掌側の痛みと母指・示指・中指の掌側のしびれ、抵抗下回内での症状増悪がみられる。同じ正中神経でも手関節部の手根管で絞扼されるのが手根管症候群で、こちらは母指球筋の萎縮を伴いやすく、円回内筋症候群と違って前腕の痛みは目立たない。尺骨神経は肘部管(上腕骨内側上顆後方の尺骨神経溝〜肘部管)とギヨン管(手関節尺側、豆状骨と有鉤骨鉤の間)という2か所で絞扼されうる。なお橈骨神経の絞扼としては回外筋(フローゼのアーケード)による後骨間神経麻痺が代表で、円回内筋とは部位も神経も異なる。

✓ 3. これが答え(誤っている組合せ)
円回内筋症候群-橈骨神経
円回内筋の2頭の間を貫くのは正中神経である。橈骨神経は肘のやや遠位で回外筋に入るため、円回内筋部での絞扼とは対応しない。
✗ 1. 正しい組合せ(答えではない)
手根管症候群-正中神経
手根骨と屈筋支帯で囲まれた手根管を通るのは正中神経と屈筋腱である。絞扼により母指〜環指橈側のしびれと母指球筋の萎縮を生じる。
✗ 2. 正しい組合せ(答えではない)
肘部管症候群-尺骨神経
上腕骨内側上顆の後方を回って肘部管に入るのは尺骨神経である。小指と環指尺側のしびれ、骨間筋の萎縮、鉤爪変形をきたす。
✗ 4. 正しい組合せ(答えではない)
ギヨン(Guyon)管症候群-尺骨神経
ギヨン管は豆状骨と有鉤骨鉤の間にあり、尺骨神経が通る。ここでの絞扼は手内在筋の障害が主体で、手背の感覚が保たれる点が肘部管との鑑別になる。
ポイント
  • 正中神経の絞扼部位は2か所:円回内筋(前腕近位)と手根管(手関節掌側)。
  • 尺骨神経の絞扼部位も2か所:肘部管(内側上顆後方)とギヨン管(豆状骨〜有鉤骨鉤)。
  • 橈骨神経の代表的絞扼は回外筋(フローゼのアーケード)による後骨間神経麻痺。
  • 円回内筋症候群は抵抗下の前腕回内で症状が増悪するのが特徴。
  • 反復動作の休止と局所の負担軽減を助言し、筋萎縮や持続するしびれがあれば医師の診察につなぐ。
比較表
症候群神経絞扼部位特徴
円回内筋症候群正中神経円回内筋の上腕頭と尺骨頭の間前腕近位掌側痛、抵抗下回内で増悪
手根管症候群正中神経手根管(屈筋支帯下)母指球筋萎縮、夜間のしびれ
肘部管症候群尺骨神経肘部管(内側上顆後方)鉤爪変形、手背尺側の感覚も低下
ギヨン管症候群尺骨神経豆状骨と有鉤骨鉤の間手内在筋障害主体、手背感覚は保たれる
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