学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §6 総論 骨折 / QJ25P068

理由で解く 柔道整復師

QJ25P068 柔道整復理論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問68
問題
疲労骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 主症状は患部の疼痛である。
2 病的状態が基盤に存在する。
3 1回の外力でも発生し得る。
4 上肢骨の発生頻度が高い。
解答
正解1(主症状は患部の疼痛である。)
解説

疲労骨折は正常な骨に、1回では骨折を起こさない程度の力が繰り返し加わって生じる骨折である。主症状は患部の疼痛で、運動時痛と限局性の圧痛が中心となる。

骨折は成因によって、正常骨に1回の大きな外力が加わる外傷性骨折、骨腫瘍や骨粗鬆症など病的状態のある骨にわずかな力で起こる病的骨折、そして正常骨に小さな力が反復して加わる疲労骨折に分けられる。疲労骨折では骨の微小損傷が修復を上回って蓄積し、やがて骨皮質に骨折線が現れる。初期はX線で所見が乏しく、運動時の痛みと骨表面をピンポイントで押したときの圧痛、限局性の腫脹や熱感が手がかりとなる。発生部位は荷重のかかる下肢に多く、脛骨・中足骨・腓骨が代表である。上肢では投球や体操など特定の動作を繰り返す競技で尺骨や肋骨に生じることがあるが、頻度は下肢に及ばない。

✓ 1. 正しい
主症状は患部の疼痛である。
運動時に強まり安静で軽減する疼痛と、骨表面の限局した圧痛が中心症状である。腫脹や変形は乏しく、痛みの部位が一点に絞り込めることが診断の手がかりになる。
✗ 2. 誤り
病的状態が基盤に存在する。
骨に基礎疾患があって弱い力で折れるのは病的骨折である。疲労骨折は骨自体が正常であることが前提で、外力側(反復性)に原因がある点が決定的に異なる。
✗ 3. 誤り
1回の外力でも発生し得る。
1回の外力で折れるのは外傷性骨折である。疲労骨折は微小損傷の蓄積が修復能力を上回って初めて成立するため、反復という条件が定義に含まれる。
✗ 4. 誤り
上肢骨の発生頻度が高い。
体重と着地衝撃を繰り返し受ける下肢に圧倒的に多く、脛骨・中足骨・腓骨が代表的な部位である。上肢の発生は特定競技に限られ頻度は低い。
ポイント
  • 疲労骨折=正常骨+反復する小さな外力。1回の外力では起こらない。
  • 主症状は運動時痛と限局性圧痛。初期はX線陰性のことが多い。
  • 好発は下肢(脛骨、中足骨、腓骨)。上肢は少ない。
  • 成因による分類:外傷性骨折(正常骨+1回の大外力)/病的骨折(異常骨+軽微な力)/疲労骨折(正常骨+反復する力)。
  • 練習量・接地面・シューズなど誘因の見直しを助言し、疼痛が続く場合は画像評価のため医師の診察を勧める。
比較表
外傷性骨折病的骨折疲労骨折
骨の状態正常異常(腫瘍・骨粗鬆症など)正常
外力1回の大きな力軽微な力小さな力の反復
主症状疼痛・変形・機能障害基礎疾患の症状+疼痛運動時痛と限局性圧痛
好発部位を問わない脊椎・大腿骨頸部など脛骨・中足骨・腓骨
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