学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §25 臨床実地問題 / QJ25P065
理由で解く 柔道整復師
この症例は、明らかな誘因なく生じた第1腰椎の圧迫骨折、すなわち椎体の脆弱性骨折があります。原発性骨粗鬆症の診断基準では、椎体または大腿骨近位部の脆弱性骨折があれば骨密度の値にかかわらず骨粗鬆症と診断するため、診断の根拠は骨折であって骨密度の数値ではありません。
本問が出題された第25回当時に用いられていた原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版)では、椎体骨折または大腿骨近位部骨折があれば骨密度を問わず骨粗鬆症、それ以外の部位の脆弱性骨折があれば骨密度が若年成人平均値(YAM)の80%未満で骨粗鬆症、脆弱性骨折がなければ骨密度がYAMの70%以下(または−2.5SD以下)で骨粗鬆症、と定められています。本例の骨密度はYAMの74%で、70%以下という基準は満たさず、骨折がなければ「骨量減少」に相当する数値です。それでも骨粗鬆症と診断できるのは、椎体の脆弱性骨折という決定的な所見があるからです。数値だけを根拠にすると、この患者を治療対象から外してしまいかねません。ひとたび椎体骨折を起こすと次の骨折の危険が大きく高まるため、薬物療法とあわせて、荷重のかかる運動と背筋の強化、転倒しにくい住環境づくり、栄養(カルシウム・ビタミンD・蛋白質)の指導を組み合わせ、治療効果を骨密度測定で追っていく流れになります。
| 条件 | 判定 |
|---|---|
| 椎体骨折または大腿骨近位部骨折(脆弱性骨折)がある | 骨密度にかかわらず骨粗鬆症 |
| その他の部位の脆弱性骨折があり、骨密度がYAMの80%未満 | 骨粗鬆症 |
| 脆弱性骨折がなく、骨密度がYAMの70%以下(または−2.5SD以下) | 骨粗鬆症 |
| 脆弱性骨折がなく、骨密度がYAMの70%超80%未満 | 骨量減少 |
| 本症例(第1腰椎の圧迫骨折あり、YAM 74%) | 骨折を根拠に骨粗鬆症 |
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