学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §3 外科的感染症 / QJ25P044
理由で解く 柔道整復師
誤っているのは1。猫の咬傷は見た目の傷が小さくても深部まで菌が押し込まれた汚染創であり、原則として一次縫合(受傷直後に閉じること)は行いません。
猫の歯は細く鋭いため、皮膚の入口は針で刺したように小さいのに、腱鞘や関節包など深い層まで到達します。つまり「洗いにくい深部に菌が置き去りになる」構造の傷です。猫の口腔内にはパスツレラ・ムルトシダ(Pasteurella multocida)が高率に常在し、受傷から数時間〜24時間という短さで強い発赤・腫脹・拍動痛が出るのが特徴です。ここで創を縫って閉じると、菌と壊死組織を皮下に密閉することになり、膿瘍・腱鞘炎・化膿性関節炎へ進みやすくなります。実際に行うのは、大量の生理食塩水による圧洗浄、汚染・挫滅組織の切除(デブリドマン)、創は開放のままとするか腫脹が引いてからの遅延一次閉鎖、アモキシシリン・クラブラン酸などによる予防投与、そして破傷風の予防接種歴の確認です。
| 咬傷 | 主な起因菌 | 傷の性状 | 創閉鎖の考え方 |
|---|---|---|---|
| ネコ | パスツレラ・ムルトシダ | 細く深い刺創。洗浄が届きにくい | 一次縫合は行わず開放創。感染率が最も高い |
| イヌ | パスツレラ、ブドウ球菌、カプノサイトファーガ | 挫滅・裂創が主体 | 原則は開放。顔面など整容上の必要時は十分洗浄後に慎重に判断 |
| ヒト | 連鎖球菌、嫌気性菌、エイケネラ | 手のMP関節部(拳打)で関節に達しやすい | 開放創とし関節・腱の損傷を評価 |
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