学習トップ理由で解く 柔道整復師関係法規 ▸ §3 柔道整復師法 / QJ25P002

理由で解く 柔道整復師

QJ25P002 関係法規

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問2
問題
柔道整復師法で厚生労働大臣が業務の停止を命ずることができるのはどれか。
選択肢
1 麻薬、大麻又はあへんの中毒者
2 科料の刑に処せられた者
3 免許証を紛失した者
4 免許証を破った者
解答
正解1(麻薬、大麻又はあへんの中毒者)
解説

厚生労働大臣が免許の取消しや期間を定めた業務停止を命じられるのは、柔道整復師法第4条の相対的欠格事由に該当するに至ったときです。麻薬・大麻・あへんの中毒者は、その第4条に明記されています。

第4条は「免許を与えないことがある」=相対的欠格事由として、心身の障害により業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの、麻薬・大麻・あへんの中毒者、罰金以上の刑に処せられた者、そのほか業務に関し犯罪または不正の行為があった者を挙げています。第8条は、免許を受けた後に第4条各号のいずれかに該当するに至ったときに、厚生労働大臣が免許の取消しまたは期間を定めた業務の停止を命じられると定めます。処分事由はこの一本だけで、医師法第7条・歯科医師法第7条・保健師助産師看護師法第14条にある「品位を損するような行為」は、柔道整復師法にもあはき法にも置かれていません。処分にあたっては意見の聴取(聴聞や弁明の機会)が行われ、取消し後も事由が消滅すれば再免許が与えられることがあります。ここで問われているのは「人がどういう状態・行為に至ったか」であり、免許証という紙をどうしたかではありません。

✓ 1. 正しい
麻薬、大麻又はあへんの中毒者
第4条の相対的欠格事由にそのまま挙げられている項目です。免許取得後にこれに該当するに至れば、厚生労働大臣は免許の取消しまたは期間を定めた業務の停止を命じることができます。
✗ 2. 誤り
科料の刑に処せられた者
条文は「罰金以上の刑に処せられた者」です。主刑は重い順に死刑・拘禁刑・罰金・拘留・科料(本問出題当時は死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料。令和4年改正刑法により、令和7年6月1日から懲役と禁錮は拘禁刑に一本化されました)。改正の前後を問わず科料は罰金より軽い刑なので、「罰金以上」には含まれません。読みが同じ「過料」(行政上の金銭罰であって刑罰ではない)とも区別します。
✗ 3. 誤り
免許証を紛失した者
紛失は処分の対象ではなく、施行規則に基づいて免許証の再交付を申請して対応します。再交付後に紛失した免許証を発見したときは、5日以内に返納します。
✗ 4. 誤り
免許証を破った者
破損・汚損も再交付申請で対応する事務手続です。第4条の欠格事由に該当せず、業務停止の理由にはなりません。
ポイント
  • 第4条=相対的欠格事由(心身の障害/麻薬・大麻・あへんの中毒者/罰金以上の刑/業務に関する犯罪・不正)。
  • 第8条=第4条各号のいずれかに該当するに至ったとき、厚生労働大臣が免許の取消し、または期間を定めた業務の停止を命じられる。
  • 柔道整復師法には、医師法・歯科医師法・保助看法のような「品位を損する行為」という処分事由は無い(処分事由は第4条各号に該当するに至ったときのみ)。あはき法も同じ。
  • 「罰金以上の刑」に拘留・科料は含まれない。刑罰ではない「過料」とも区別する。
  • 免許証の紛失・破損は再交付を申請して対応する。処分事由ではない。
  • 取消し後も、事由が消滅し再び免許を与えるのが適当と認められれば再免許があり得る。
比較表
重さの順(主刑・現行)刑の種類「罰金以上の刑」に含まれるか
1死刑含まれる
2拘禁刑(旧・懲役/禁錮)含まれる
3罰金含まれる
4拘留含まれない
5科料含まれない

令和7年6月1日施行の改正刑法により、懲役と禁錮は「拘禁刑」に一本化された(本問出題時は死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料の6種)。「科料は罰金より軽く『罰金以上』に含まれない」という判定の根拠は、改正の影響を受けない。

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