学習トップ理由で解く 柔道整復師関係法規 ▸ §3 柔道整復師法 / QJ24P006

理由で解く 柔道整復師

QJ24P006 関係法規

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問6
問題
施術所に対する行政の監督で正しいのはどれか。2つ選べ。
選択肢
1 都道府県知事が行うことができる。
2 立入検査では身分証を携帯しなければならない。
3 立入検査の権限は犯罪捜査としても認められる。
4 虚偽の報告をしても罰を受ける事はない。
解答
正解1(都道府県知事が行うことができる。)、2(立入検査では身分証を携帯しなければならない。)
解説

施術所への監督は都道府県知事等が行う行政上の調査です。検査する職員には身分証の携帯・提示が義務づけられ、その権限を犯罪捜査に使うことはできません。

柔道整復師法第21条は、都道府県知事(保健所を設置する市・特別区ではその長)が必要と認めるとき、施術所の開設者や柔道整復師に必要な報告を命じ、職員に施術所へ立ち入って構造設備や衛生上の措置の実施状況を検査させることができる、と定めています。同条は続けて、立入検査をする職員は身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があるときは提示しなければならないこと、そしてこの立入検査の権限は犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないことを明記しています。行政調査は衛生の確保という行政目的のために令状なしで行えるものなので、これをそのまま刑事捜査に転用すれば令状主義(憲法第35条)の潜脱になってしまうからです。報告をしない、虚偽の報告をする、検査を拒み・妨げ・忌避したときは30万円以下の罰金の対象になります。

✓ 1. 正しい
都道府県知事が行うことができる。
施術所の届出先が都道府県知事であるのと同じく、監督権者も都道府県知事です(保健所を設置する市・特別区ではその長)。国が基準をつくり、身近な自治体が現場を見るという役割分担になっています。
✓ 2. 正しい
立入検査では身分証を携帯しなければならない。
職員は身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があれば提示しなければなりません。検査を受ける側が相手の正体を確認できるようにして、なりすましを防ぐための規定です。立入りを受けたときは提示を求めて差し支えありません。
✗ 3. 誤り
立入検査の権限は犯罪捜査としても認められる。
条文が正面から否定しています。犯罪の疑いがある場合は、捜査機関が刑事訴訟法に基づき令状を得て別に手続きを進めることになります。
✗ 4. 誤り
虚偽の報告をしても罰を受ける事はない。
報告をしない場合、虚偽の報告をした場合、検査を拒み・妨げ・忌避した場合は、いずれも30万円以下の罰金の対象です。日頃から施術録や構造設備の記録を整えておき、求められた事実をそのまま提出できる状態にしておきましょう。
ポイント
  • 監督権者は都道府県知事(保健所を設置する市・特別区はその長)
  • できることは①必要な報告を命じる、②職員による立入検査
  • 検査の対象は構造設備と衛生上の措置の実施状況
  • 検査職員は身分証を携帯し、請求があれば提示する
  • 立入検査の権限は犯罪捜査には使えない(令状主義との区別)。報告拒否・虚偽報告・検査拒否は30万円以下の罰金
比較表
観点立入検査(行政調査)犯罪捜査
目的衛生の確保など行政上の目的犯罪の証拠収集・被疑者の特定
根拠柔道整復師法第21条刑事訴訟法
令状不要原則として必要(憲法第35条)
行う者都道府県知事等の職員司法警察職員・検察官
拒んだ場合30万円以下の罰金令状による強制処分
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