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理由で解く 柔道整復師

QJ25A102 病理学概論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問102
問題
ゴム腫の病理学的特徴で正しいのはどれか。
選択肢
1 中心部に壊死はみられない。
2 泡沫細胞の集簇からなる。
3 好酸球浸潤が目立つ。
4 周囲に線維形成が豊富である。
解答
正解4(周囲に線維形成が豊富である。)
解説

ゴム腫は第3期梅毒でみられる慢性肉芽腫で、中心のゴム様壊死を、形質細胞を含む肉芽組織と豊富な線維化が取り囲みます。

梅毒トレポネーマに対する遅延型(Ⅳ型)アレルギーを背景に、感染から数年以上を経て形成される特異性炎の一種です。肉眼的にはゴムのような弾力を持つ結節で、中心部は無構造の壊死巣となり、その周囲をリンパ球と形質細胞の浸潤、類上皮細胞、線維芽細胞の増生が取り囲みます。形質細胞浸潤が目立つことと、閉塞性動脈内膜炎を伴うことが梅毒性病変の特徴です。線維化が強いため、治癒過程で瘢痕収縮を起こし、鼻中隔に生じれば鞍鼻、口蓋なら穿孔、肝なら分葉肝といった変形を残します。結核結節と同じ肉芽腫でも、乾酪壊死とラングハンス巨細胞が主役の結核とは構成細胞が異なる点を押さえます。

✓ 4. 正しい
周囲に線維形成が豊富である。
ゴム腫では壊死巣の周囲に線維芽細胞が増生し、膠原線維に富んだ肉芽組織が厚く形成されます。この強い線維化と瘢痕収縮が、鞍鼻や口蓋穿孔などの変形につながります。
✗ 1. 誤り
中心部に壊死はみられない。
ゴム腫の中心部にはゴム様と表現される壊死巣が存在します。壊死の有無はゴム腫を特徴づける所見であり、「みられない」とするのは誤りです。
✗ 2. 誤り
泡沫細胞の集簇からなる。
泡沫細胞は脂質を取り込んで細胞質が泡状にみえるマクロファージで、粥状硬化のアテローム、黄色腫、ハンセン病のレプラ細胞などで目立ちます。ゴム腫の主役ではありません。
✗ 3. 誤り
好酸球浸潤が目立つ。
好酸球が主役になるのは寄生虫感染やⅠ型アレルギー(気管支喘息、アレルギー性鼻炎)です。ゴム腫で目立つのはリンパ球と形質細胞の浸潤です。
ポイント
  • ゴム腫=第3期梅毒の慢性肉芽腫(特異性炎)。Ⅳ型アレルギーが背景
  • 構造は「中心のゴム様壊死 → 形質細胞・リンパ球・類上皮細胞 → 豊富な線維化」の三層で覚える
  • 形質細胞浸潤と閉塞性動脈内膜炎が梅毒性病変の目印
  • 瘢痕収縮により鞍鼻、口蓋穿孔、分葉肝などの変形を残す
  • 結核結節(乾酪壊死+ラングハンス巨細胞)との違いを対比して整理する
比較表
肉芽腫中心部主な浸潤細胞線維化
ゴム腫(梅毒)ゴム様壊死形質細胞、リンパ球、類上皮細胞豊富
結核結節乾酪壊死類上皮細胞、ラングハンス巨細胞、リンパ球治癒期に線維化・石灰化
サルコイドーシス壊死を伴わない類上皮細胞、多核巨細胞比較的乏しい
ハンセン病(らい腫型)壊死は目立たない泡沫状のレプラ細胞乏しい
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