学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §6 進行性病変 / QJ25A101

理由で解く 柔道整復師

QJ25A101 病理学概論

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問101
問題
移植で誤っている組合せはどれか。
選択肢
1 同系移植 →二卵性双生児間の移植
2 自己移植-同じ生体内での移植
3 異種移植種類の異なる動物間の移植
4 異系移植-遺伝子の異なる兄弟間の移植
解答
正解1(同系移植 →二卵性双生児間の移植)
解説

選択肢1は同系移植を指す表記と読み取れます。同系移植は遺伝的に同一な個体どうしの移植であり、二卵性双生児は遺伝子構成が異なるため、この組合せは成り立ちません。

移植はドナーとレシピエントの遺伝的な関係で4つに分けます。自家(自己)移植は同一個体内での移植、同系移植は遺伝的に同一な個体間(一卵性双生児や近交系動物)、同種(異系)移植は同じ種で遺伝的に異なる個体間、異種移植は種を越えた移植です。拒絶反応は主要組織適合抗原(ヒトではHLA)の違いに対して起こるため、自家移植と同系移植では原則生じず、同種移植で生じ、異種移植でもっとも激しくなります。二卵性双生児は別々の受精卵に由来するので、遺伝的には通常の兄弟姉妹と変わらず同種異系の関係です。したがって二卵性双生児間の移植には拒絶反応が起こりえます。

✓ 1. これが答え(組合せが成り立たない)
同系移植 →二卵性双生児間の移植
同系移植に相当するのは一卵性双生児間や近交系動物間の移植です。二卵性双生児は遺伝子構成が異なるため同種(異系)移植にあたり、この対応づけは合いません。
✗ 2. 組合せは正しい(=答えではない)
自己移植-同じ生体内での移植
自家(自己)移植は同一個体内で組織を移す方法で、皮膚移植や自家骨移植、冠動脈バイパス術での自家静脈グラフトが代表です。抗原が自分自身なので拒絶反応は起こりません。
✗ 3. 組合せは正しい(=答えではない)
異種移植種類の異なる動物間の移植
異種移植は種を越えた移植で、ブタの心臓弁を用いる例などがあります。抗原の隔たりが大きいため拒絶反応がもっとも強く出ます。
✗ 4. 組合せは正しい(=答えではない)
異系移植-遺伝子の異なる兄弟間の移植
同じ種の中で遺伝的に異なる個体間の移植が同種(異系)移植です。兄弟間の骨髄移植や腎移植がこれにあたり、HLAの適合度に応じて免疫抑制療法が必要になります。
ポイント
  • 自家(自己)移植:同一個体内。拒絶反応なし(皮膚移植、自家骨移植)
  • 同系移植:遺伝的に同一な個体間=一卵性双生児、近交系動物。拒絶反応は原則なし
  • 同種(異系)移植:同じ種で遺伝的に異なる個体間=兄弟間、非血縁者間、二卵性双生児も含む
  • 異種移植:種を越えた移植。拒絶反応がもっとも激しい
  • 拒絶の強さは 自家=同系 < 同種 < 異種。HLAの適合度が鍵になる
比較表
分類ドナーとレシピエントの関係拒絶反応
自家(自己)移植同一個体内起こらない皮膚移植、自家骨移植
同系移植遺伝的に同一の個体間原則起こらない一卵性双生児間、近交系動物間
同種(異系)移植同種で遺伝的に異なる個体間起こる兄弟間・非血縁者間、二卵性双生児間
異種移植異なる種の間もっとも激しいブタ由来心臓弁
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