学習トップ理由で解く 柔道整復師病理学概論 ▸ §6 進行性病変 / QJ24A103

理由で解く 柔道整復師

QJ24A103 病理学概論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問103
問題
瘢痕の主な構成成分はどれか。
選択肢
1 マクロファージ
2 好中球
3 毛細血管
4 膠原線維
解答
正解4(膠原線維)
解説

瘢痕の主な構成成分は膠原線維(コラーゲン線維)である。肉芽組織が成熟する過程で細胞成分と血管が減り、線維芽細胞が産生した膠原線維が密に残ることで瘢痕ができる。

創傷治癒は段階を追って進む。まず出血・血液凝固が起こり、続いて好中球、次いでマクロファージが集まって細菌や壊死組織を貪食・処理する(炎症期)。その後、毛細血管の新生と線維芽細胞の増生により、赤くやわらかい肉芽組織が創面を埋める(増殖期)。最後の成熟期には、役目を終えた炎症細胞が姿を消し、新生毛細血管は退縮し、線維芽細胞も減少して、あとには線維芽細胞が産生した膠原線維が緻密に配列して残る。これが瘢痕であり、血管も細胞も乏しい線維性組織であるため白色を呈し、硬く、伸展性に欠ける。関節周囲でこれが起これば拘縮の原因になるので、治癒過程に応じた早期からの適切な運動療法が意味を持つ。

✓ 4. 正しい
膠原線維
線維芽細胞が産生した膠原線維(コラーゲン線維)が緻密に束をなして残ったものが瘢痕の本体である。血管・細胞成分に乏しいため白色・硬く、伸展性が低い。
✗ 1. 誤り
マクロファージ
炎症期から増殖期にかけて壊死組織や異物を貪食し、サイトカインを介して線維芽細胞や血管新生を促す重要な細胞だが、瘢痕が完成する頃には消退している。治癒を進める側であって、瘢痕の構成成分ではない。
✗ 2. 誤り
好中球
受傷直後の急性炎症期にいち早く集まり細菌を処理する細胞で、寿命が短く数日で退場する。治癒の初期に働く細胞であり、瘢痕には残らない。
✗ 3. 誤り
毛細血管
肉芽組織の段階では新生毛細血管が豊富で、そのために肉芽は赤く見える。しかし瘢痕へ成熟する過程で血管は退縮するため、瘢痕は逆に血管に乏しく白色となる。肉芽組織と瘢痕を取り違えないようにしたい。
ポイント
  • 瘢痕の主成分=膠原線維(コラーゲン)。血管・細胞に乏しく白色で硬い。
  • 創傷治癒=炎症期(好中球→マクロファージ)→増殖期(肉芽組織)→成熟期(瘢痕)。
  • 肉芽組織=新生毛細血管+線維芽細胞+炎症細胞。赤くやわらかい。
  • 肉芽が成熟して血管・細胞が減り、膠原線維が残ったものが瘢痕。
  • 瘢痕は伸展性に乏しく拘縮の一因となるため、治癒段階に応じた運動療法を組み立てる。
比較表
肉芽組織瘢痕組織
時期増殖期成熟期(最終段階)
毛細血管豊富乏しい(退縮)
細胞成分線維芽細胞・炎症細胞が多い少ない
膠原線維少ない〜増加中豊富・緻密
肉眼所見赤色・やわらかい白色・硬い
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