学習トップ理由で解く 柔道整復師運動学 ▸ §1 運動学総論 / QJ25A086

理由で解く 柔道整復師

QJ25A086 運動学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問86
問題
運動の形で正しいのはどれか。
選択肢
1 机上の食物は口まで線運動で運ばれる。
2 並進運動とはある点から別の点に全体として移動する回転運動である。
3 線運動に曲線運動は含まれない。
4 身体運動の多くは関節を運動軸とする体節の線運動からなる。
解答
正解1(机上の食物は口まで線運動で運ばれる。)
解説

運動の形は「線運動(並進運動)」と「角運動(回転運動)」の2つに大別されます。物体が向きを保ったまま全体として位置を変えるのが線運動で、経路が直線でも曲線でも線運動に含まれます。

線運動は、物体を構成するすべての点が同じ方向へ同じ距離だけ動く運動です。経路が直線なら直線運動、弧を描けば曲線運動と呼びますが、どちらも線運動の下位区分にあたります。これに対して角運動は運動軸のまわりを回る運動で、軸から遠い点ほど移動距離が大きくなります。ヒトの身体運動は、関節を運動軸とした体節の角運動が基本単位です。そして肩・肘・手関節の角運動を組み合わせることで、手に持った物体は目的の場所へ「運ばれる=線運動する」ことになります。この「関節は回っているが、運ばれる物は移動している」という二重構造をつかむと、4つの選択肢の違いがはっきり見えてきます。

✓ 1. 正しい
机上の食物は口まで線運動で運ばれる。
食物そのものは、机の上という一点から口元という別の一点へ、全体として位置を移しています。これはまさに線運動(並進運動)です。運ぶ途中の経路は肘や肩の回転によって弧を描きますが、曲線運動も線運動に含まれるため矛盾しません。「上肢の関節は角運動、運ばれる食物は線運動」と役割を分けて読むのがコツです。
✗ 2. 誤り
並進運動とはある点から別の点に全体として移動する回転運動である。
並進運動は線運動の別名であり、回転運動とは対になる概念です。「ある点から別の点に全体として移動する」という前半の説明は正しいのですが、末尾が「回転運動」にすり替わっています。末尾を「線運動」に直せば正文になります。文末だけが入れ替わる作りの選択肢なので、最後まで読み切る習慣をつけておきましょう。
✗ 3. 誤り
線運動に曲線運動は含まれない。
線運動は直線運動と曲線運動の両方を含む上位概念です。投げたボールが描く放物線も、向きを保ったまま位置を移す運動なので線運動に分類されます。「線運動=まっすぐ」と早合点しないよう、直線・曲線の2つを枝分かれで書いて覚えておくと確実です。
✗ 4. 誤り
身体運動の多くは関節を運動軸とする体節の線運動からなる。
関節を運動軸とする以上、体節は軸のまわりを回るので角運動(回転運動)です。文中の「線運動」を「角運動」に置き換えれば正しい文になります。屈曲・伸展・外転・内転・回旋といった関節運動の名称がすべて「回る」動きを表していることを手がかりにすると、判断しやすくなります。
ポイント
  • 運動の形は「線運動(=並進運動)」と「角運動(=回転運動)」の2本立てで整理する。
  • 線運動には直線運動と曲線運動の両方が含まれる。曲線だから角運動、ではない。
  • 角運動は運動軸をもち、軸から遠い点ほど移動距離が大きくなる。
  • 身体運動の基本単位は、関節を運動軸とする体節の角運動である。
  • 複数関節の角運動を組み合わせることで、手に持った物体は線運動として目的地へ運ばれる。
比較表
項目線運動角運動
別名並進運動回転運動
運動軸もたないもつ(関節が軸になる)
下位区分直線運動・曲線運動
各点の動きすべての点が同方向へ同距離軸から遠い点ほど大きく動く
身体での例手に持った食物が口へ運ばれる肘の屈曲、肩の外転
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