学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §9 内分泌 / QJ25A085

理由で解く 柔道整復師

QJ25A085 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問85
問題
エストロゲンの生理作用で正しいのはどれか。
選択肢
1 子宮内膜の増殖
2 骨吸収の促進
3 骨格筋の発達
4 体温の上昇
解答
正解1(子宮内膜の増殖)
解説

エストロゲンの代表的な作用は、月経後の子宮内膜を増殖・肥厚させることです。したがって正解は1です。

エストロゲンは主に発育卵胞の顆粒膜細胞から分泌され、月経で薄くなった子宮内膜を増殖させて厚くします。この作用が起こる時期がそのまま増殖期と呼ばれます。ほかに、乳房の発育や皮下脂肪の沈着といった女性の二次性徴の発現、頸管粘液を増やして精子が通過しやすくする作用、骨に対しては破骨細胞の働きを抑えて骨吸収を抑制し、骨端線の閉鎖を促す作用があります。閉経後にエストロゲンが減ると骨吸収の抑えが外れ、骨粗鬆症が起こりやすくなるのは、この骨吸収抑制作用が失われるためです。一方で、基礎体温を上げるのはプロゲステロン、骨格筋の蛋白同化を進めるのはテストステロンなどのアンドロゲンであり、性ホルモンは作用の担当を分けて整理するのが確実な覚え方です。

✓ 1. 正しい
子宮内膜の増殖
エストロゲンは子宮内膜を増殖・肥厚させ、この時期が増殖期と呼ばれます。続く分泌期にプロゲステロンが腺分泌を促して着床に備える、という二段構えを押さえると、両ホルモンの役割分担が一本の流れで理解できます。
✗ 2. 誤り
骨吸収の促進
作用の向きが逆で、エストロゲンは破骨細胞の働きを抑えて骨吸収を抑制します。閉経でエストロゲンが低下すると骨吸収が進み、骨粗鬆症のリスクが高まる事実から、抑制側であることを確認できます。骨吸収を促進する代表は副甲状腺ホルモン(パラソルモン)で、抑制側はカルシトニンとエストロゲン、と分けて覚えましょう。
✗ 3. 誤り
骨格筋の発達
骨格筋を発達させる蛋白同化作用は、テストステロンをはじめとするアンドロゲンの働きです。エストロゲンは骨端線の閉鎖を促す作用はもちますが、筋量を増やす主役ではありません。「男性ホルモン=蛋白同化・筋発達」と対比して整理しておきましょう。
✗ 4. 誤り
体温の上昇
基礎体温を上げるのはプロゲステロンで、体温調節中枢のセットポイントを上げることで高温相をつくります。エストロゲンが優位な卵胞期(増殖期)は低温相にあたります。基礎体温表の二相性を思い浮かべ、高温相=プロゲステロンと結びつけて覚えると確実です。
ポイント
  • エストロゲンは子宮内膜を増殖・肥厚させる(増殖期をつくる)。
  • 骨では破骨細胞を抑えて骨吸収を抑制し、骨端線の閉鎖を促す。
  • 閉経後のエストロゲン低下は骨粗鬆症の主要因となる。
  • 基礎体温を上げるのはプロゲステロン。エストロゲン優位期は低温相。
  • 骨格筋を発達させる蛋白同化作用はアンドロゲン(テストステロン)の担当。
比較表
比較項目エストロゲンプロゲステロンアンドロゲン
主な分泌源発育卵胞(顆粒膜細胞)黄体(妊娠3〜4か月以降は胎盤)精巣・副腎皮質
子宮内膜増殖・肥厚させる腺分泌を促し着床に備える直接の作用は乏しい
骨吸収抑制する直接の主作用ではない骨量維持に働く
基礎体温低温相(上げない)上昇させる(高温相)周期的変化なし
骨格筋発達の主役ではない発達の主役ではない蛋白同化により発達させる
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。