学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §14 感覚の生理 / QJ25A082

理由で解く 柔道整復師

QJ25A082 生理学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問82
問題
筋紡錘で正しいのはどれか。
選択肢
1 錘外筋線維に直交するように位置する。
2 無髄神経線維が終末をつくる。
3 筋張力の変化に反応する。
4 錘内筋線維をγ運動線維が支配する。
解答
正解4(錘内筋線維をγ運動線維が支配する。)
解説

筋紡錘は筋の長さと伸張速度を感知する受容器で、その中身である錘内筋線維の両端はγ運動線維(γ運動ニューロン)に支配されている。

筋紡錘は結合組織性の被膜に包まれた紡錘形の器官で、力を発生する錘外筋線維に対して並列に埋め込まれている。並列であるため、筋が伸ばされると筋紡錘も同時に引き伸ばされ、中央部に巻きついたIa群求心性線維(および核鎖線維に終わるII群線維)が興奮して、脊髄でα運動ニューロンを単シナプス性に興奮させる。これが伸張反射(腱反射)である。ここで問題になるのは、筋が収縮して短くなると筋紡錘がたるみ、感度が落ちてしまうことである。これを補うのがγ運動ニューロンで、錘内筋線維の両端(収縮性のある部分)を収縮させて中央の感覚部を常に張った状態に保つ。随意運動時にはαとγが同時に活動する(α−γ連関)ため、筋が短くなっても筋紡錘は長さの情報を送り続けられる。長さを測る筋紡錘に対し、腱にあって張力を測るのがゴルジ腱器官(Ib群、錘外筋線維と直列、Ib抑制)で、この対比が試験の要である。

✓ 4. 正しい
錘内筋線維をγ運動線維が支配する。
錘内筋線維の両端にγ運動線維が終末をつくり、収縮させて中央の感覚部の張りを保つ。これにより筋が短縮しても筋紡錘の感度が保たれる(α−γ連関)。
✗ 1. 誤り
錘外筋線維に直交するように位置する。
筋紡錘は錘外筋線維と「並列(平行)」に配置されている。並列だからこそ筋の伸張を長さの情報として拾える。直列に配置されているのはゴルジ腱器官で、こちらは筋張力を拾う。
✗ 2. 誤り
無髄神経線維が終末をつくる。
終末をつくるのは伝導速度の速い太い有髄線維で、一次終末はIa群(Aα)、二次終末はII群(Aβ)である。伸張反射は素早い姿勢調節を担うため、無髄線維では速度が足りない。無髄線維(C線維)が担うのは鈍痛や温度感覚である。
✗ 3. 誤り
筋張力の変化に反応する。
筋紡錘が反応するのは筋の「長さ」と伸張の「速度」である。張力の変化に反応するのはゴルジ腱器官で、過度の張力に対してIb抑制を働かせ、筋の断裂を防ぐ。
ポイント
  • 筋紡錘=長さ・伸張速度の受容器。錘外筋線維と並列に配置される。
  • 求心路はIa群(一次終末、Aα)とII群(二次終末)。いずれも太い有髄線維。
  • 錘内筋線維の両端をγ運動線維が支配し、収縮させて感度を保つ。
  • 随意運動ではα運動ニューロンとγ運動ニューロンが同時に活動する(α−γ連関)。
  • ゴルジ腱器官=張力の受容器。腱にあり錘外筋線維と直列、Ib群求心性でIb抑制を起こす。
比較表
筋紡錘ゴルジ腱器官
位置筋腹内、錘外筋線維と並列筋腱移行部、錘外筋線維と直列
感知する量筋の長さ・伸張速度筋の張力
求心性線維Ia群・II群Ib群
遠心性支配γ運動線維(錘内筋線維へ)なし
反射効果伸張反射(同名筋を興奮)Ib抑制(同名筋を抑制)
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