学習トップ理由で解く 柔道整復師生理学 ▸ §14 感覚の生理 / QJ24A084

理由で解く 柔道整復師

QJ24A084 生理学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午前 問84
問題
痛覚を伝達するAδ線維で誤っているのはどれか。
選択肢
1 自由神経終末は無髄である。
2 速い痛みを伝達する。
3 局在の明確な痛みを伝達する。
4 ポリモーダル侵害受容線維である。
解答
正解4(ポリモーダル侵害受容線維である。)
解説

この設問は「誤っているもの」を選ぶ形式である。Aδ線維は細い有髄線維で、鋭く局在のはっきりした速い痛みを伝える。ポリモーダル侵害受容線維にあたるのは無髄のC線維なので、選択肢4が設問の答えとなる。

痛みを運ぶ一次求心性線維は、太さと髄鞘の有無によって大きく2群に分けられる。Aδ線維は細い有髄線維で跳躍伝導ができるため伝導速度がおおむね5〜30m/秒と速く、ぶつけた瞬間に走る鋭い痛み(一次痛・速い痛み)を運ぶ。C線維は無髄で伝導速度が約0.5〜2m/秒と遅く、少し遅れてじりじりと続く鈍い痛み(二次痛・遅い痛み)を運ぶ。この2つを表で並べて対比させておけば、選択肢の真偽をほぼ機械的に判定できる。なお有髄線維であっても受容器そのものは髄鞘を失った自由神経終末である点は両者に共通する。否定形の設問では、まず各肢に「○(正しい記述)」「×(誤った記述)」と書き込み、×が付いた肢を答えとして選ぶ手順を固定すると取りこぼしが減る。

✓ 4. これが誤り(設問の答え)
ポリモーダル侵害受容線維である。
ポリモーダル(多様式)侵害受容器とは、機械的刺激・熱刺激・化学的刺激のいずれにも応答する受容器で、これを終末に持つのは主に無髄のC線維である。Aδ線維が担うのは高閾値の機械的侵害受容器や機械-熱受容器であり、記述はAδ線維の説明としてあてはまらない。よってこれが設問の求める「誤っているもの」となる。
✗ 1. 正しい記述(答えではない)
自由神経終末は無髄である。
侵害受容器は特別な被膜構造を持たない自由神経終末で、Aδ線維であっても終末部分では髄鞘が途切れて無髄になる。「線維は有髄だが終末は無髄」は矛盾しないので、この肢は正しい記述であり答えにはならない。
✗ 2. 正しい記述(答えではない)
速い痛みを伝達する。
有髄で跳躍伝導するため伝導速度が速く、受傷直後に感じる一次痛(速い痛み)を伝える。C線維が伝える二次痛(遅い痛み)と対になる関係で、記述は正しい。
✗ 3. 正しい記述(答えではない)
局在の明確な痛みを伝達する。
Aδ線維による一次痛は「ここが痛い」と指で示せる鋭い痛みで、局在が明確である。これに対しC線維による二次痛は範囲が広がってぼやけた痛みになる。したがってこの記述も正しく、答えにはあたらない。
ポイント
  • Aδ線維=細い有髄・伝導が速い・一次痛(鋭い、局在が明確)。
  • C線維=無髄・伝導が遅い・二次痛(鈍い、広がる、持続する)。
  • ポリモーダル侵害受容器(機械・熱・化学のいずれにも応答)はC線維が担う。
  • Aδ線維は高閾値機械受容器・機械-熱受容器が中心。
  • 侵害受容器の末端はいずれも自由神経終末で、終末部は髄鞘を持たない。
比較表
項目Aδ線維C線維
髄鞘有髄(細い)無髄
伝導速度速い(およそ5〜30m/秒)遅い(およそ0.5〜2m/秒)
痛みの種類一次痛・速い痛み二次痛・遅い痛み
痛みの質鋭い、局在が明確鈍い・灼けるよう、局在が不明確
受容器高閾値機械受容器、機械-熱受容器ポリモーダル侵害受容器
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