学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ25A024

理由で解く 柔道整復師

QJ25A024 必修問題

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問24
問題
骨折の後遺症はどれか。
選択肢
1 外傷性皮下気腫
2 コンパートメント症候群
3 脳脊髄損傷
4 偽関節
解答
正解4(偽関節)
解説

偽関節です。骨折の合併症は「いつ起こるか」で三つに分けて整理し、治療が終わった後まで残るものが後遺症です。

骨折の合併症は、受傷と同時に生じる併発症(随伴症)、治療経過中に現れる続発症、治癒後も残る後遺症に分類されます。併発症には血管・神経の損傷、内臓損傷、脳脊髄損傷、脱臼の併発などが含まれます。続発症は骨折後の経過中に発生するもので、外傷性皮下気腫、コンパートメント症候群、脂肪塞栓症候群、沈下性肺炎、褥瘡、血栓性静脈炎、化膿性骨髄炎が代表例です。後遺症は偽関節、変形治癒、過剰仮骨形成、関節拘縮、阻血性骨壊死、骨化性筋炎、フォルクマン拘縮、遅発性神経麻痺などです。偽関節は骨癒合が完全に停止した状態で、骨折端が硬化して髄腔が閉鎖し、骨折部に異常可動性が残ります。自然治癒は期待できず観血療法の対象になる点で、まだ癒合の可能性が残っている遷延治癒とは区別します。

✓ 4. 該当する
偽関節
骨癒合の過程が完全に止まり、骨折端の硬化・髄腔の閉鎖・異常可動性が固定した状態です。治癒後まで残る典型的な後遺症で、血行の乏しい部位(大腿骨頸部、手舟状骨、距骨、脛骨下1/3など)、固定不良、骨片間への軟部組織介在が背景になります。遷延治癒の段階で気づき、固定の見直しや医科への紹介を行うことが偽関節化を防ぐ鍵です。
✗ 1. 該当しない
外傷性皮下気腫
肋骨骨折などで肺・胸膜が損傷され、空気が皮下組織に漏れて生じる続発症です。脂肪塞栓症候群・沈下性肺炎・褥瘡などと同じく骨折後の経過中に発生するもので、治癒後に残る障害ではないため後遺症には当たりません。皮下に握雪感を触れたら気胸を疑い、速やかに医師へ紹介します。
✗ 2. 該当しない
コンパートメント症候群
受傷後数時間から数日で筋区画内圧が上昇し、循環障害を起こす続発症です。放置するとフォルクマン拘縮という後遺症に至りますが、それ自体は経過中に生じる病態です。安静時痛の増強、他動伸展時痛、しびれを認めたら固定を緩め直ちに医科へつなぎます。
✗ 3. 該当しない
脳脊髄損傷
頭蓋骨骨折や脊椎骨折の際に、受傷時の外力で同時に生じる併発症です。骨折治癒後に残存する障害という位置づけではなく、初期対応で最優先に評価すべき損傷です。
ポイント
  • 骨折の合併症は併発症(受傷時)/続発症(経過中)/後遺症(治癒後も残る)の三分類で覚える。
  • 併発症の代表=血管・神経損傷、内臓損傷、脳脊髄損傷、脱臼の併発。「受傷の瞬間に一緒に起きたもの」。
  • 続発症の代表=外傷性皮下気腫、コンパートメント症候群、脂肪塞栓症候群、沈下性肺炎、褥瘡、血栓性静脈炎、化膿性骨髄炎。「経過中に出てくるもの」。
  • 後遺症の代表=偽関節、変形治癒、過剰仮骨形成、関節拘縮、阻血性骨壊死、骨化性筋炎、フォルクマン拘縮、遅発性神経麻痺。
  • 偽関節は骨端硬化・髄腔閉鎖・異常可動性が特徴。まだ癒合の可能性が残る遷延治癒とは区別する。招きやすい条件は血行の乏しい部位、固定不良・固定期間不足、骨片間への軟部組織介在、感染。
  • 続発症は後遺症の前段階になりやすい。経過観察で早期に拾い、固定の調整や医科紹介につなげる。
比較表
分類時期代表例
併発症(随伴症)受傷と同時血管・神経損傷、内臓損傷、脳脊髄損傷、脱臼の併発
続発症治療経過中外傷性皮下気腫、コンパートメント症候群、脂肪塞栓症候群、沈下性肺炎、褥瘡、血栓性静脈炎、化膿性骨髄炎
後遺症治癒後も残存偽関節、変形治癒、過剰仮骨形成、関節拘縮、阻血性骨壊死、骨化性筋炎、フォルクマン拘縮、遅発性神経麻痺
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