学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ25A022

理由で解く 柔道整復師

QJ25A022 必修問題

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問22
問題
牽引直圧整復法で整復されにくいのはどれか。
選択肢
1 捻転転位
2 短縮転位
3 側方転位
4 屈曲転位
解答
正解1(捻転転位)
解説

牽引直圧整復法は「長軸方向の牽引」と「骨折部への直圧」という2方向の力で行うため、骨片が長軸のまわりに回っている捻転(回旋)転位は矯正されにくい。よって1が該当する。

この整復法の手順は、まず遠位骨片を長軸方向に牽引して短縮転位を除去し骨折端を離開させ、次に突出している骨片へ直接指圧を加えて残る側方転位・屈曲転位を戻す、という流れである。ここで患部に加わっているのは長軸方向の力と、それに直交する側方への力の2つだけで、長軸まわりに骨片を回す回旋モーメントはどこにも生じない。そのため捻転転位は牽引しても直圧しても残ってしまい、戻すには遠位骨片を把持して回旋させ、中枢骨片の向きに合わせるという別の操作が必要になる。捻転が残ったまま癒合すると回旋変形治癒となり、前腕では回内・回外の制限、下肢では歩行時の足部の向きの異常として機能障害を残す。整復後は末梢の向き(前腕なら手掌の向き、下肢なら膝蓋骨と足部の向き)を健側や中枢骨片と見比べて、回旋が残っていないかを必ず確かめる。

✓ 1. 該当する(整復されにくい)
捻転転位
骨片が長軸のまわりに回った転位で、牽引(長軸方向)と直圧(側方)のどちらの力も回旋を戻す向きに働かない。遠位骨片を持って回旋させ、中枢骨片の向きに合わせる操作を別に加える必要がある。
✗ 2. 該当しない(整復されやすい)
短縮転位
骨片が重なって短くなった転位で、末梢牽引の力の向きとそのまま一致する。この整復法で最初に、かつ最も確実に矯正される転位である。
✗ 3. 該当しない(整復されやすい)
側方転位
骨片が横にずれた転位で、まさに直圧が狙う対象である。牽引で骨折端を離開させたうえで、ずれた骨片を反対方向へ押して戻す。
✗ 4. 該当しない(整復されやすい)
屈曲転位
骨片が角度をなした転位で、牽引によって角度がある程度伸ばされ、残りは凸側から直圧を加えることで矯正できる。なお、骨折端が完全に転位して牽引・直圧だけでは骨折端を対向させられない場合(横骨折・短斜骨折など)は、屈曲整復法を用いる。
ポイント
  • 牽引直圧整復法=末梢牽引(短縮転位を除去し骨折端を離開)+直圧(側方・屈曲転位を矯正)の2段構え。
  • 加わる力は「長軸方向」と「側方」の2方向だけ。長軸まわりに回す力がないので捻転転位は残る。
  • 捻転転位は、遠位骨片を把持して回旋させ、中枢骨片の向きに合わせる操作で矯正する。
  • 屈曲整復法の適応は、骨折端が完全に転位して牽引・直圧だけでは骨折端を対向させられないもの(横骨折・短斜骨折など)や、軟部組織の介在が疑われるもの。
  • 嵌入骨折は別扱い。まず嵌入を解除する操作を要するもので、屈曲整復法の適応とは区別して覚える。
  • 転位の種類は屈曲・側方・短縮・捻転(回旋)・延長(離開)の5つ。どの力で戻るかをセットで覚える。
  • 回旋が残ると前腕では回内外制限、下肢では歩行障害を残す。整復後は末梢の向きを健側・中枢骨片と比較して確認する。
比較表
転位骨片のずれ方牽引直圧整復法で戻るか主に働く操作
短縮転位骨片が重なり長さが短くなる戻りやすい長軸方向の末梢牽引
側方転位骨片が横にずれる戻りやすい牽引+骨折部への直圧
屈曲転位骨片が角度をなす戻りやすい牽引で角度を減じ、凸側から直圧(骨折端を対向させられないものは屈曲整復法)
捻転(回旋)転位骨片が長軸のまわりに回る戻りにくい遠位骨片の回旋操作を追加して中枢骨片に合わせる
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