学習トップ理由で解く 柔道整復師必修問題 ▸ §45 柔道整復理論 / QJ25A020

理由で解く 柔道整復師

QJ25A020 必修問題

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午前 問20
問題
小児骨折で正しいのはどれか。
選択肢
1 骨膜の連続性は保たれることが多い。
2 捻転転位の自家矯正が期待できる。
3 骨の横径成長障害を伴う。
4 関節拘縮を後遺しやすい。
解答
正解1(骨膜の連続性は保たれることが多い。)
解説

小児の骨は骨膜が厚く強靱で、骨折しても骨膜が全周にわたって断裂しにくく、連続性が保たれることが多いのが特徴です。答えは1です。

小児の骨は有機質に富んで弾力があり、その周囲を厚い骨膜が筒のように包んでいます。そのため、骨が完全に断たれずに折れ曲がる若木骨折や、皮質が圧縮されて膨らむ竹節状(隆起)骨折といった不全骨折が起こりやすくなります。骨膜の連続性が保たれていれば骨折端が大きく離れにくく、しかもその骨膜自体の骨形成能が高いため、癒合は成人より速く進みます。さらに、成長軟骨板の働きと骨膜のリモデリングによって、骨軸のずれ(側方転位や、関節の運動方向に一致する軽度の屈曲転位)は成長とともに自家矯正されていきます。ただし何でも矯正されるわけではなく、ねじれ(捻転・回旋)転位は自家矯正されません。また骨端線を損傷すれば、長径の成長障害や進行性の変形を残す可能性があります。したがって、回旋転位は整復の段階で確実に戻し、骨端線損傷が疑われる場合は医療機関で画像評価を受けたうえで、経過を追って観察していくことが大切になります。

✓ 1. 正しい
骨膜の連続性は保たれることが多い。
小児の骨膜は厚く強靱で、骨折の際も全周が破れずに残りやすいため、若木骨折や竹節状骨折のように骨膜がつながったまま折れる形が多くなります。これが転位の少なさにつながり、骨膜自体の骨形成能が高いこととあいまって癒合も速く進みます。
✗ 2. 誤り
捻転転位の自家矯正が期待できる。
自家矯正が期待できるのは側方転位と、関節運動方向に一致する軽度の屈曲転位までです。回旋(捻転)転位は残るため、整復時に確実に矯正しておく必要があります。
✗ 3. 誤り
骨の横径成長障害を伴う。
骨の横径成長は骨膜が担い、小児では骨膜の骨形成が旺盛です。小児骨折で問題になるのは骨端線損傷による長径の成長障害や変形であり、横径成長障害が一般に伴うわけではありません。
✗ 4. 誤り
関節拘縮を後遺しやすい。
小児は組織の修復が速く関節可動性も戻りやすいため、成人に比べて拘縮を残しにくいのが特徴です。とはいえ固定が長引けば影響は出るので、固定期間は必要最小限にとどめ、許される範囲で早期から動かしていきます。
ポイント
  • 小児の骨膜は厚く強靱で、骨折時も全周が断裂しにくい。若木骨折・竹節状骨折など不全骨折が多い。
  • 骨膜の連続性が保たれるため転位が少なく、骨膜自体の骨形成能も高いので癒合が速い。
  • 自家矯正が期待できるのは側方転位と、関節運動方向に一致する屈曲転位。
  • 回旋(捻転)転位は自家矯正されないので、整復時に確実に戻す。
  • 骨端線損傷は長径の成長障害・変形を残しうる。疑えば画像評価と経過観察につなげる。
  • 拘縮は残しにくいが、固定期間は必要最小限にする。
比較表
項目小児骨折成人骨折
骨膜厚く強靱。骨折時も全周が断裂しにくく、連続性が保たれやすい薄く、骨折時に断裂しやすい
多い骨折型若木骨折・竹節状骨折(不全骨折)完全骨折
癒合速い(骨膜の骨形成能が高い)遅い
自家矯正側方転位・軽度の屈曲転位は期待できる(回旋は不可)ほとんど期待できない
特有の問題骨端線損傷による成長障害・変形偽関節、遷延癒合
関節拘縮残しにくい残しやすい
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