学習トップ理由で解く 柔道整復師柔道整復理論 ▸ §22 各論(軟部組織損傷) 上肢 / QJ24P096

理由で解く 柔道整復師

QJ24P096 柔道整復理論

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問96
問題
肘部のスポーツ傷害で正しいのはどれか。
選択肢
1 外側側副靱帯損傷は肘関節の外転強制により発生する。
2 内側側副靱帯損傷の多くは前斜走線維の損傷である。
3 野球肘は外側型が大部分を占める。
4 離断性骨軟骨炎は野球肘の内側型でみられる。
解答
正解2(内側側副靱帯損傷の多くは前斜走線維の損傷である。)
解説

肘部のスポーツ傷害で正しいのは2。内側側副靱帯損傷は前斜走線維に多い。

肘の内側側副靱帯は前斜走線維・後斜走線維・横走線維からなり、外反(外転)ストレスを主に制動するのは前斜走線維である。投球の加速期には肘に強い外反力がかかるため、損傷はこの線維に集中する。成長期の野球肘は障害部位で内側型・外側型・後方型に分けられ、外反ストレスによる牽引を受ける内側型が大部分を占める。外側型は上腕骨小頭と橈骨頭の圧迫で生じる離断性骨軟骨炎で、頻度は低いが関節遊離体を残しやすい。

✓ 2. 正しい
内側側副靱帯損傷の多くは前斜走線維の損傷である。
前斜走線維が外反制動の主体であり、投球動作の外反ストレスを最も強く受けるため。上腕骨内側上顆から尺骨鉤状突起へ張るこの線維の圧痛と外反不安定性を確認する。
✗ 1. 誤り
外側側副靱帯損傷は肘関節の外転強制により発生する。
外転(外反)強制で緊張し損傷するのは内側側副靱帯。外側側副靱帯が損傷するのは内転(内反)強制のとき。
✗ 3. 誤り
野球肘は外側型が大部分を占める。
大部分を占めるのは内側型。外反ストレスによる内側の牽引障害が中心となる。
✗ 4. 誤り
離断性骨軟骨炎は野球肘の内側型でみられる。
離断性骨軟骨炎は上腕骨小頭に生じる外側型の病変。圧迫ストレスによって軟骨下骨が障害される。
ポイント
  • 靱帯は「反対側が開くときに伸びる」。外反強制→内側側副靱帯、内反強制→外側側副靱帯。
  • 肘内側側副靱帯の外反制動の主体は前斜走線維。
  • 野球肘:内側型(牽引)が大部分、外側型(圧迫)=離断性骨軟骨炎、後方型(衝突)=肘頭の障害。
  • 外側型は初期症状が乏しく、進行すると遊離体と伸展制限を残す。外側の痛みや伸展制限があれば投球を休止し、医師の画像評価につなぐ。
比較表
ストレス主な病変頻度
内側型牽引内側上顆の骨端障害・内側側副靱帯損傷大部分
外側型圧迫上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎少ない
後方型衝突肘頭の骨端障害・疲労骨折少ない
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