学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 柔道整復理論 ▸ §19 各論(脱臼) 上肢 / QJ24P091
理由で解く 柔道整復師
肘関節後方脱臼では内側が大きく離開するため、内側側副靱帯断裂・尺骨鉤状突起骨折・尺骨神経損傷を合併しやすい。一方、上腕骨内側上顆の裂離骨折は骨端線の残る小児に多く、成人では起こりにくい。したがって答えは1。
肘関節後方脱臼は、肘伸展位で手をついて過伸展が強制され、尺骨鉤状突起が上腕骨滑車を乗り越えて後方へ移動することで生じる。このとき内側は強く開くため、内側側副靱帯の断裂はほぼ必発で、滑車と衝突する鉤状突起の骨折、伸張される尺骨神経の障害を伴いやすい。橈骨頭骨折や上腕動脈損傷も知られた合併症である。ここで年齢が鍵になる。骨端線が開いている小児・思春期では、靱帯や屈筋群の付着部ごと骨が引き剥がされる形で上腕骨内側上顆の裂離骨折が高頻度に起こり、骨片が関節内に嵌入することもある。骨端線が閉鎖した成人では骨より靱帯のほうが先に負けるため、内側上顆骨折の頻度は下がる。「合併しにくい」であって「起こらない」ではない点にも注意する。
| 小児・思春期 | 成人 | |
|---|---|---|
| 骨端線 | 開存(力学的弱点) | 閉鎖 |
| 内側で先に破綻する部位 | 内側上顆(骨) | 内側側副靱帯(靱帯実質部) |
| 特徴的な合併損傷 | 上腕骨内側上顆裂離骨折、骨片の関節内嵌入 | 内側側副靱帯断裂、尺骨鉤状突起骨折、橈骨頭骨折 |
| 神経障害 | いずれも尺骨神経損傷に注意(整復前後で確認) | |
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