学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §25 臨床実地問題 / QJ24P065

理由で解く 柔道整復師

QJ24P065 整形外科学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問65
問題
10歳の男児。サッカークラブに入っている。2日前からの右膝痛のため来院した。痛みが急激に強くなっているという。右膝に腫脹と熱感がみられ、関節エコー検査で膝関節内に液体貯留がみられた。考えられないのはどれか。
選択肢
1 離断性骨軟骨炎
2 オスグッドーシュラッター(Osgood-Schlatter)病
3 前十字靱帯付着部脛骨裂離骨折
4 化膿性関節炎
解答
正解2(オスグッドーシュラッター(Osgood-Schlatter)病)
解説

オスグッド・シュラッター病は脛骨粗面という関節の外に生じる骨端症で、関節内に液体がたまることはなく、経過も慢性である。この症例には当てはまらないので答えは2。

提示されているのは、10歳の男児、2日という短い経過、急激に増強する痛み、腫脹と熱感、そして関節エコーで確認された関節内の液体貯留である。関節内に液体がたまっているという事実は、病変が関節の内側にあることを意味しており、この一点で関節外の疾患を除外できる。臨床上まず除外すべきは化膿性関節炎で、放置すれば数日で関節軟骨が破壊される。発熱や全身状態、血液検査での炎症反応、関節穿刺による関節液の性状確認と培養が必要になるため、この所見の組合せに出会ったらその場で経過をみるのではなく、直ちに医療機関へつなぐ。

✓ 2. これが答え(考えられない)
オスグッドーシュラッター(Osgood-Schlatter)病
大腿四頭筋の牽引によって脛骨粗面の骨端核が引き剥がされる骨端症で、病変部位は関節包の外にある。脛骨粗面の隆起・圧痛・運動時痛が数か月にわたって続く慢性の経過をとり、関節内の液体貯留や2日で急激に悪化する熱感を伴う病像とは合致しない。
✗ 1. 考えられる(答えではない)
離断性骨軟骨炎
大腿骨内側顆の外側面に好発し、スポーツをする10歳前後の男児に多い。軟骨下骨が分離して関節内遊離体になると、急な痛みや引っかかり感(ロッキング)とともに関節水腫を生じるため、本症例の所見と矛盾しない。
✗ 3. 考えられる(答えではない)
前十字靱帯付着部脛骨裂離骨折
小児では靱帯そのものより付着部の骨(脛骨顆間隆起)のほうが弱く、剥離骨折の形をとりやすい。関節内骨折なので関節血腫となり、強い疼痛・腫脹・熱感を伴う。受傷の心当たりがあるかを確認することが鑑別の助けになる。
✗ 4. 考えられる(答えではない)
化膿性関節炎
急激に増強する痛み、腫脹、熱感、関節内の液体貯留はまさに典型像で、この年齢でも起こりうる。短期間で関節軟骨が破壊されるため最優先で除外すべき疾患であり、発熱や全身状態を確認したうえで直ちに医療機関へつなぐ。
ポイント
  • 関節内の液体貯留=関節内病変。関節外の病変であるオスグッド病は該当しない
  • 急激な疼痛増強+腫脹+熱感+関節液貯留では化膿性関節炎を最優先で除外する
  • 離断性骨軟骨炎と脛骨顆間隆起骨折はいずれも関節内病変で、水腫・血腫をきたす
  • オスグッド病は脛骨粗面の隆起と圧痛が主体で、数か月続く慢性の運動時痛
  • この所見の組合せでは経過観察とせず、その日のうちに医療機関の血液検査・関節穿刺につなぐ
比較表
疾患病変の場所関節液貯留経過
離断性骨軟骨炎関節内(大腿骨顆部)あり(水腫)慢性〜遊離体で急性増悪
オスグッド・シュラッター病関節外(脛骨粗面)なし慢性(数か月)
前十字靱帯付着部脛骨裂離骨折関節内(顆間隆起)あり(血腫)急性(外傷)
化膿性関節炎関節内あり(膿性)急性・急速に増悪
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。