学習トップ理由で解く 柔道整復師整形外科学 ▸ §11 疾患別各論 全身性の骨・軟部疾患 / QJ24P057

理由で解く 柔道整復師

QJ24P057 整形外科学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問57
問題
骨系統疾患で常染色体劣性遺伝はどれか。
選択肢
1 軟骨無形成症
2 モルキオ(Morquio) 病
3 骨形成不全症I型
4 マルファン(Marfan)症候群
解答
正解2(モルキオ(Morquio) 病)
解説

選択肢のうち常染色体劣性遺伝の形式をとるのは、ムコ多糖症IV型であるモルキオ病である。残る3つはいずれも常染色体優性遺伝。正答は2。

骨系統疾患は常染色体優性遺伝をとるものが多数を占め、劣性遺伝は酵素が欠損して代謝産物が蓄積するライソゾーム病、すなわちムコ多糖症の系統で目立つ、と整理しておくと解きやすい。モルキオ病ではケラタン硫酸を分解する酵素が欠け、ケラタン硫酸が全身に蓄積して体幹短縮型の低身長、鳩胸、脊柱変形、外反膝をきたす。歯突起の低形成による環軸椎不安定性から頸髄症を起こす危険があるため、頸部に急激な前後屈や回旋を加えない配慮が要る。知能が保たれる点は、同じムコ多糖症でもハーラー病(I型)との違いとして覚えておきたい。

✓ 2. 正しい
モルキオ(Morquio) 病
ムコ多糖症IV型で、常染色体劣性遺伝をとる。IVA型はガラクトサミン-6-硫酸スルファターゼ、IVB型はβ-ガラクトシダーゼの欠損による。両親は保因者で症状を示さないことが多く、家族歴が目立たない点も劣性遺伝らしい特徴である。
✗ 1. 誤り
軟骨無形成症
常染色体優性遺伝で、線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)の機能獲得型変異による。軟骨内骨化が障害され、四肢短縮型低身長・三尖手・大きな頭部を呈する。患者の多くは新生突然変異のため家族歴がないことが多いが、遺伝形式そのものは優性である。
✗ 3. 誤り
骨形成不全症I型
I型コラーゲンをつくる遺伝子の変異による常染色体優性遺伝である。易骨折性・青色強膜・伝音難聴が三徴。骨形成不全症のなかには常染色体劣性遺伝をとる病型も報告されているが、設問が指定するI型は優性遺伝の代表である。
✗ 4. 誤り
マルファン(Marfan)症候群
フィブリリン-1遺伝子の変異による常染色体優性遺伝の結合組織疾患である。高身長・くも指(細長い指)・水晶体亜脱臼・大動脈基部拡張を特徴とし、大動脈解離のリスクがあるため過度な負荷を伴う運動には注意が必要となる。
ポイント
  • 常染色体優性:軟骨無形成症、骨形成不全症I型、マルファン症候群、多発性外骨腫症
  • 常染色体劣性:ムコ多糖症のうちモルキオ病(IV型)、ハーラー病(I型)
  • X連鎖劣性:ハンター病(ムコ多糖症II型)。低リン血症性くる病はX連鎖優性
  • モルキオ病=ケラタン硫酸蓄積、体幹短縮型低身長、知能は正常
  • モルキオ病では環軸椎不安定性があるため、頸部への急激な操作を避け画像評価を確認しておく
比較表
疾患遺伝形式原因特徴
軟骨無形成症常染色体優性FGFR3四肢短縮型低身長、三尖手
モルキオ病(ムコ多糖症IV型)常染色体劣性酵素欠損(ケラタン硫酸蓄積)体幹短縮型低身長、環軸椎不安定、知能正常
骨形成不全症I型常染色体優性I型コラーゲン易骨折、青色強膜、難聴
マルファン症候群常染色体優性フィブリリン-1高身長、くも指、水晶体亜脱臼
ハンター病(ムコ多糖症II型)X連鎖劣性酵素欠損男児に発症
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