学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §20 臨床実地問題 / QJ24P054
理由で解く 柔道整復師
意識消失を伴った脳しんとうでは、症状が消えても当日・翌日の競技復帰はさせない。回復しきる前の再受傷は、セカンドインパクトシンドロームという致死的な脳腫脹を招きうる。
脳しんとうは頭部への衝撃で一過性に脳機能が障害される病態で、CTやMRIでは異常を認めないことが多い。しかし症状が消えても脳の代謝やエネルギー需給は数日から数週にわたって不安定な状態が続き、この時期に二度目の衝撃を受けると脳血管の自動調節能が破綻して急激な脳腫脹を起こすことがある。これがセカンドインパクトシンドロームで、若年者に多く致死率が高い。したがって受傷当日は競技に戻さず、医療機関で神経学的評価を受け、症状が完全に消失してから安静 → 軽い有酸素運動 → 競技特異的訓練 → 接触を伴わない練習 → 接触練習 → 試合と段階を追って復帰する。柔道では投げ技による後頭部の打撲から急性硬膜下血腫を生じた重篤例が報告されており、増悪する頭痛、繰り返す嘔吐、意識レベルの低下、けいれん、片麻痺、瞳孔不同がみられればただちに救急搬送する。
| 脳しんとう | 急性硬膜外血腫 | 急性硬膜下血腫 | |
|---|---|---|---|
| 病態 | 一過性の脳機能障害 | 頭蓋骨と硬膜の間の出血(多くは中硬膜動脈) | 硬膜と脳の間の出血(架橋静脈・脳挫傷) |
| 画像 | 異常を認めないことが多い | 凸レンズ型の高吸収域 | 三日月型の高吸収域 |
| 経過 | 症状は短時間で改善 | 意識清明期の後に急速に悪化しうる | 受傷直後から意識障害が続くことが多い |
| 脳損傷の程度 | 器質的損傷は目立たない | 合併が少なく予後は比較的良い | 脳挫傷を伴い予後不良のことが多い |
| 対応 | 安静と経過観察、段階的復帰 | 血腫除去術(緊急) | 血腫除去術(緊急) |
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