学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 外科学概論 ▸ §18 胸部外傷(救急法) / QJ24P052
理由で解く 柔道整復師
動揺胸郭(フレイルチェスト)は、連続する複数本の肋骨がそれぞれ2か所以上で折れ、その胸壁が呼吸と逆に動く状態。可動性の大きい第5〜8肋骨あたりで起こりやすい。
肋骨骨折は第4〜8肋骨、とくに第5〜8肋骨に好発する。第1〜3肋骨は短く太いうえ鎖骨・肩甲骨と周囲の筋に覆われて折れにくく、折れていれば大きな外力が加わった証拠として鎖骨下動脈損傷や腕神経叢損傷の合併を疑う。第11・12肋骨は浮遊肋で可動性が高い。動揺胸郭では吸気時に動揺部が陥凹し呼気時に膨隆する奇異呼吸を示して換気効率が落ち、さらにその直下の肺挫傷が低酸素血症の主因となる。対応は酸素投与と十分な鎮痛、必要に応じて陽圧換気による内固定や観血的な肋骨固定術。胸部外傷では緊張性気胸のように数分を争う病態が隠れているので、呼吸音・頸静脈・気管の位置を素早く確認する習慣をつける。
| 種類 | 胸腔がどこと通じるか | 特徴的な所見 | 主な危険 |
|---|---|---|---|
| 閉鎖性気胸 | 交通なし(胸腔内に空気が閉じ込められる) | 患側呼吸音の減弱 | 量が多ければ呼吸困難 |
| 外開放性気胸 | 外界と交通(胸壁の欠損) | 創部での空気の出入り音 | 細菌侵入による膿胸、換気障害 |
| 内開放性気胸 | 気道(肺・気管支損傷)と交通 | 皮下気腫、縦隔気腫 | 緊張性気胸への移行 |
| 緊張性気胸 | 一方向弁となり空気がたまり続ける | 頸静脈怒張、気管の健側偏位、鼓音、ショック | 静脈還流の途絶 → 心停止 |
解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。