学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §15 主要な疾患 血液疾患 / QJ24P038

理由で解く 柔道整復師

QJ24P038 一般臨床医学

出典:第24回柔道整復師国家試験(2016)午後 問38
問題
慢性骨髄性白血病の原因はどれか。
選択肢
1 遺伝子異常
2 ウイルス感染
3 免疫異常
4 代謝異常
解答
正解1(遺伝子異常)
解説

慢性骨髄性白血病(CML)の原因は遺伝子異常。9番と22番染色体の相互転座で生じるフィラデルフィア染色体と、そこにできるBCR-ABL融合遺伝子が本態である。

t(9;22)により22番染色体が短くなったものがフィラデルフィア染色体で、その上にBCR-ABL融合遺伝子が生じる。この遺伝子の産物は常に活性化したチロシンキナーゼとして働き、増殖のスイッチを押しっぱなしにするため、造血幹細胞が無秩序に増える。慢性期は無症状のまま健診の白血球著増で見つかることが多く、末梢血には芽球から成熟好中球まで各成熟段階の細胞がそろって出現し、脾腫と好中球アルカリホスファターゼ(NAP)スコアの低下を伴う。放置すると移行期を経て急性転化する。BCR-ABLを狙い撃つチロシンキナーゼ阻害薬(イマチニブなど)の登場で予後が大きく改善した、分子標的治療の代表例である。

✓ 1. 正しい
遺伝子異常
t(9;22)によるフィラデルフィア染色体とBCR-ABL融合遺伝子が原因。これが本問の答え。なお後天的に生じる体細胞の遺伝子異常であり、遺伝する病気ではない。
✗ 2. 誤り
ウイルス感染
ウイルスが原因となる血液腫瘍は成人T細胞白血病(HTLV-1)が代表。バーキットリンパ腫や上咽頭癌ではEBウイルスが関与する。CMLの成因ではない。
✗ 3. 誤り
免疫異常
免疫の異常が主因となるのは自己免疫疾患やITPなど。CMLは造血幹細胞に生じた遺伝子異常による腫瘍性増殖である。
✗ 4. 誤り
代謝異常
代謝の異常で起こる血液疾患は巨赤芽球性貧血(ビタミンB12・葉酸欠乏)などで、CMLの原因ではない。
ポイント
  • CML=t(9;22)、フィラデルフィア染色体、BCR-ABL融合遺伝子
  • BCR-ABLは常時活性型チロシンキナーゼとして増殖を促す
  • 慢性期は無症状のことが多く、白血球著増・脾腫・NAPスコア低下が特徴
  • 放置すると移行期を経て急性転化する
  • 治療はチロシンキナーゼ阻害薬(イマチニブなど)=分子標的治療の代表
比較表
原因分類代表疾患
遺伝子・染色体異常慢性骨髄性白血病(BCR-ABL)
ウイルス感染成人T細胞白血病(HTLV-1)、バーキットリンパ腫(EBV)
免疫異常ITP、自己免疫性溶血性貧血
代謝・栄養異常巨赤芽球性貧血(ビタミンB12・葉酸欠乏)
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