学習トップ理由で解く 柔道整復師一般臨床医学 ▸ §15 主要な疾患 血液疾患 / QJ25P039

理由で解く 柔道整復師

QJ25P039 一般臨床医学

出典:第25回柔道整復師国家試験(2017)午後 問39
問題
脊椎圧迫骨折を起こしやすいのはどれか。
選択肢
1 血友病
2 多発性骨髄腫
3 慢性骨髄性白血病
4 特発性血小板減少性紫斑病
解答
正解2(多発性骨髄腫)
解説

多発性骨髄腫では腫瘍化した形質細胞が破骨細胞を活性化して溶骨性病変をつくるため、椎体がもろくなり圧迫骨折を起こしやすい。正答は2。

多発性骨髄腫は骨髄で形質細胞が腫瘍性に増殖する疾患で、腫瘍細胞が産生する因子によって破骨細胞が活性化され、骨吸収が骨形成を上回る。その結果、頭蓋骨の打ち抜き像に代表される溶骨性病変が多発し、荷重のかかる脊椎では椎体がつぶれて圧迫骨折を起こし、腰背部痛や身長低下、脊髄・神経根の圧迫症状を来す。破壊された骨からカルシウムが遊離して高カルシウム血症を生じ、口渇・多尿・意識障害の原因にもなる。さらに単クローン性のM蛋白が血中に増え、尿中にはベンス・ジョーンズ蛋白が出現し、腎障害や正常免疫グロブリンの減少による易感染性、正常造血の抑制による貧血を伴う。高齢者で明らかな外傷なしに腰背部痛が続き、身長が縮んだような訴えがある場合は病的骨折を念頭に置き、画像評価が可能な医療機関への受診を勧める。

✓ 2. 正しい
多発性骨髄腫
腫瘍性形質細胞が破骨細胞を活性化して骨吸収が亢進し、溶骨性病変が多発する。荷重のかかる椎体が脆弱化して圧迫骨折を起こしやすく、腰背部痛、高カルシウム血症、貧血、腎障害、M蛋白、ベンス・ジョーンズ蛋白を伴う。
✗ 1. 誤り
血友病
第VIII因子または第IX因子の欠乏による凝固異常で、関節内出血(血友病性関節症)や筋肉内出血といった深部出血が主体である。骨の脆弱化による圧迫骨折を特徴とはしない。
✗ 3. 誤り
慢性骨髄性白血病
フィラデルフィア染色体を有し、成熟好中球を主体とする著明な白血球増加と脾腫が特徴である。骨髄の過形成による骨痛を訴えることはあるが、椎体の圧迫骨折が代表的所見ではない。
✗ 4. 誤り
特発性血小板減少性紫斑病
自己抗体により血小板が破壊されて減少する疾患で、点状出血・紫斑・鼻出血・歯肉出血など皮膚粘膜出血が主症状である。骨の破壊は起こらない。
ポイント
  • 多発性骨髄腫=形質細胞の腫瘍。破骨細胞活性化により溶骨性病変・病的骨折(脊椎圧迫骨折)を来す。
  • 頭蓋骨X線の打ち抜き像、高カルシウム血症、貧血、腎障害、M蛋白、ベンス・ジョーンズ蛋白がそろう。
  • 血友病=凝固因子欠乏による関節内・筋肉内の深部出血。
  • 特発性血小板減少性紫斑病=血小板減少による皮膚粘膜出血(点状出血・紫斑)。
  • 高齢者の外傷歴のない腰背部痛・身長低下では病的骨折を疑い、画像評価のできる医療機関へつなぐ。
比較表
疾患主な病態特徴的所見
多発性骨髄腫形質細胞の腫瘍性増殖・骨吸収亢進溶骨性病変、脊椎圧迫骨折、高Ca血症、M蛋白
血友病凝固因子(VIII・IX)欠乏関節内出血、筋肉内出血、APTT延長
慢性骨髄性白血病造血幹細胞の腫瘍化(Ph染色体)著明な白血球増加、脾腫
特発性血小板減少性紫斑病自己抗体による血小板破壊点状出血、紫斑、鼻出血、血小板減少
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